連載11
他国に負けない水産加工業へ―ノルウェーは効率化・徹底管理などの漁業改革により漁業先進国となった一方、水産加工業の復活に課題も多い。その中で、徹底したマーケット戦略、簡便商材や高付加価値品開発などを手がけ、中国加工などの競合を跳ね返す取り組みが進む。水産物輸出で国内最大手のレロイグループを訪ねた。
同社は欧州連合(EU)方面に56%、アジア方面に11%など輸出を得意とする一方、国内向けに16%を販売するなど、内販にも力を入れる。現在注目するのは「健康」「簡便性」「情報提供」「環境配慮」。簡便商材の開発や健康機能性の情報提供で、国内外問わず消費者の支持を得る。
キーワードは「Ready to cook」「Ready to eat」。米国で広まり、日本でも大手・中堅量販店が拡充する簡便商材だ。現地在住で通訳を務めてくれた高橋明子さんも、「便利でよく使っている」と、既に食卓で地位を築きつつある。
他国に負けない加工業へ
伸びる簡便・差別化商品
オーラ・ブラットボル日本市場ディレクター
(2008/11/5(水)掲載)
■レロイグループ
国内第2位の生産会社でもある同社は、北部から南部まで幅広く養殖場を持つ。「養殖業を始める前に100年の歴史がある」とオーラ・ブラットボル日本市場ディレクター。長年続けてきた水産物販売のノウハウを生かし、1999年に養殖事業に本格参入。「養殖業は顧客をサポートするためのもの」と位置づけ、原料調達やトレーサビリティーの観点から事業を拡大。現在、年商は10億ドルを超える。
簡便商材は国内向け販売も好調
■日本市場へ
簡便商品としては、アルミ容器に入り、そのままオーブンで15分焼くだけの商品を開発。「購買層は30〜40代。新たな顧客層を広げるのに一役買っている」と同社。小ポーションに切り分け、バキュームパックした商品は無駄なく使え、若者から高齢者まで利用者は幅広い。
「お客さんの求めるものを作ることが大きな仕事の一つ。生産から販売までを手がけることで、一貫した商品開発が可能だ」とブラットボル日本市場ディレクター。日本市場向けには2年半かけて「オーロラサーモン」を開発。「寿司・刺し身のために作ったサーモン。非常に伸びている」(同ディレクター)。ポイントは日本市場にマッチした「味」「身質」「色」。独自の餌を使い、水温の低い北部地域でゆっくり時間をかけ養殖する。
日本ではNSECなどと組んで販促を展開。オーロラの下で育てるというイメージもプラスに働く。流通面では水揚げ後36時間で日本に輸送。「通常に比べ1日早い」(同)。東海澱粉、オーシャン貿易の2社が日本国内での販売を手がける。「急拡大ではなく、ゆっくり育てていく商材」(同)だ。(東京支社・磯崎真)