連載13
約30万人が暮らすベルゲン市。世界遺産のブリッゲンを中心に、美しい街並みがフィヨルド特有の急斜面にまで続く。そんなのんびりした街にも、流通変化の波が打ち寄せる。街中にはマクドナルドやセブンイレブンなど日本でもおなじみの看板がかかり、安売りスーパーが専門小売店を脅かしていた。
港近くに魚屋を見つけた。「昔ながらの魚屋はその店くらい」とは現地ガイド。支店が1店舗あるくらいで、ほとんど見かけなくなったという。店頭には名物の棒ダラを山積み。一方には発泡スチロール箱に氷を敷き、サーモンやタラなど丸魚やフィレー10数種類を陳列。店舗には若い店員2〜3人が作業していた。
街の元気な魚屋さん
チェーン店台頭で減少も
街で唯一の鮮魚店
(2008/11/7(金)掲載)
■鮮魚店
ベルゲン港の魚市場
■魚市場
ベルゲン港にある観光スポット「魚市場」は、季節によって店舗数が増減する露天商。ヒョウも降った冬の近いこの時期には数店舗ほど。それでも、日本人観光客を見つけて「センエン! センエン!」の掛け声が。魚卵の瓶詰を1個1000円で販売していた。
店頭には棒ダラはもちろん、スモークサバやスモークウナギ、甲殻類も多く陳列。鮮魚コーナーではキロ49〜199クローネの白身類、サーモンの切り身のほか、活シュリンプなども置いていた。
店内に足を踏み入れると、鮮魚類よりも缶詰や乾燥品などの加工品が目に付く。店の一番奥には冷蔵ショーケースがあり、フィッシュケーキが並んでいた。そこには数人のお客さん。さまざまな味付けがあり、1個49〜98ノルウェークローネ(1ノルウェークローネ=約15円)。温めるだけの簡便惣菜で、庶民的な食べ物だそうだ。
魚屋から徒歩3分ほどのところには、チェーンのスーパー。水産コーナーもあったが、パックしたサーモン類、エビ類、ペースト状やチューブ状のものくらい。高級スーパーには丸魚が並ぶそうだ。物価を調べてみると、シュリンプパックが360グラム24クローネ、ミネラルウォーターが24クローネ、バナナ1房16クローネ、レタスが19クローネ程度だった。
水産物消費自体は堅調なノルウェー。サーモンやトラウトの内需も拡大しつつある。やはり健康志向が強く、さまざまな商品に「オメガ3」の文字が躍る。欧州全般でも健康志向は強く、魚料理はまだまだ伸びる余地がある。「体に良い」から「大好物」へ。今後とも世界の水産物需要からは目が離せない。
(東京支社・磯崎真)