連載14
「エコロジーも大切だがエコノミーも大切」―こう言い切るのは漁業・沿岸問題省のヴィーダル・ウルクセン副大臣。輸出の7割以上を石油・ガス、鉱物など有限資源に頼るノルウェー。輸出金額全体の4・4%を占める水産物にかかる期待も大きい。「マーケットのニーズに対応し、安定した供給が必要」という。資源管理だけでなく、輸出振興にかなりのウエートを置くのも同国の特徴だ。
同省は関連機関を含め国内最大規模の2000人を要する大所帯。本省には100人程度が勤務する。主な部署は「養殖・海産物・市場部」「沿岸問題部」「海洋資源・環境部」「調査・革新部」。その他、情報ユニットや管理ユニットがある。
政策方針は漁業が経済的に利益を出すこと、沿岸地域の発展に貢献すること。ウルクセン副大臣は「過疎化が深刻だった北ノルウェーの小さな漁村が、シシャモ解禁により潤うことを願っている」とシシャモ漁に期待を寄せる。輸出に頼る同国において、国際競争力や安定供給の確保、漁業の効率化などによって取り残された漁村振興は緊急課題と位置づける。
「エコノミーも大切」
輸出振興と資源管理の良い関係
水産業の重要さを説くヴィーダル・ウルクセン漁業・沿岸問題省副大臣
(2008/11/10(月)掲載)
■漁業・沿岸問題省
漁業管理の要素は「調査・研究」「行政」「コントロール(規制・監視)」「取り締まり・処分」の4つに分かれる。「調査・研究」では研究機関や国際機関が国内外を含め漁獲データ収集や資源量推定などを実施。行政側にアドバイスする。「行政」部分は水産庁、漁業・沿岸問題省が主な規制や管理方法などを決める。
ハルバルト・ヨハンセン副事務次官は「どのように管理、コントロールするかが大切」と指摘。「コントロール」は海上部分を沿岸警備隊、港・水揚げ部分を水産庁、販売面を販売組織が監視する。違反があった場合は警察や法的処分を行うほか、小さな問題については行政指導、行政処分などを行う。違法な操業に対してはライセンスはく奪などもある。
■漁業管理
管理規制や漁獲枠設定のシステムには漁業者の代表も必ず名を連ねる。「漁師自身が責任を持ってかかわることが重要」とヨハンセン副事務次官。調査研究・行政・コントロールの各段階を明確に独立化し、同じ方向性で業界が進むことで、「もうかる漁業」体制を確立してきた。(東京支社・磯崎真)