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 「ビッグ・ニュースだ」―出迎えてくれたハンス・ぺター・ネスNSEC日本事務所代表が興奮気味に話し始めたのが、バレンツ海のシシャモ漁解禁の一報。実に2003年以来の解禁となる。視察団一行がベルゲン入りする前日の現地時間13日に、ICESが39万トンの漁獲が可能という勧告を発表した。14日からはベルゲンでロシアとの漁業交渉がスタートし、帰国直前に交渉がまとまるなど、視察ツアーのハイライトとなった。
 バレンツ海のシシャモ漁獲枠設定までの流れは、ノルウェー・ロシアが共同調査→両国科学者による資源量推定→ICESの同意→両国による漁業交渉→結果をICESへ報告 -となる。ノルウェーのシシャモはおよそ10万トンを日本向けに輸出、ミールや魚油向けにも使う。ここ数年は試験操業のみだったが、東欧への輸出が増えてきた。
 「シシャモは人間だけの物ではない」とは、海洋研究所でシシャモを担当するシグル・チェルメラン氏。タラや鯨、アザラシも餌として食する。さらに、「バレンツ海にニシンがたくさん寄ってくると、シシャモが少なくなる」と同氏。1970年代のシシャモ豊漁期には、同海域にニシンが少なく、逆に83年ころにニシンが出てくるとシシャモが激減した。特に3〜4歳のニシンがシシャモをよく食べるという。「ここ1〜2年はニシンがいないため、シシャモが現れる傾向があった」と振り返る。他の生態系との競合状況などを解明することで、資源管理を可能にした。
シシャモ解禁に湧く漁業界
徹底調査で資源量推定
シシャモ担当のシグル・チェルメラン氏
(2008/10/24(金)掲載)
■シシャモ
 「人間、自然界、餌や魚油など産業界それぞれのためにバランスが取れなければ、持続的利用などできない」と同氏。39万トンの根拠として、08年10月から来年4月までの資源量推定グラフを示し説明してくれた。持続的に利用していくための資源量ラインを、漁期終了の来年4月時点で20万トンに設定。自然界との関係を考慮し、現在の資源量からどのくらいの漁獲が可能かを導き出したという。
 現地時間16日に漁獲枠が正式決定。39万トンのうち、6割に当たる23万4000トンがノルウェーの漁獲枠(大枠)となった。漁は1月に始まるが、日本向けの漁獲は2月中旬ころから。春先に日本市場にお目見えすることになる。(東京支社・磯崎真)