連載8
 「取扱量は築地より多い」―自信たっぷりに語るのは青魚を取り扱う販売組合「NOFGES SILDESALGSLAG」のクヌート・トルグネス販売ディレクター。ノルウェーの漁船、同国海域に入る外国漁船が漁獲するニシン、サバ、シシャモなどの青魚すべての販売を管理する。目的は「漁師の立場を守り、マーケットの価格を安定させるため」(ヤーレ・ハンセンマーケティングディレクター)。この組織のほか、国内には白身や底魚などを扱う販売組合が5つ存在する。
 販売組合は1927年に組織。法律「The Raw Fish Act」に基づき、青魚の販売を一手に引き受ける。組合は全国の漁業者の代表らがボードメンバーに入り、運営に当たる。もともとはニシンの取り扱いが主体だったが、さまざまな魚種に拡大。取扱数量は年間200万トン。1万5000〜2万件の取引が成立する。「世界の青魚の2%。世界最大の売買システム」と胸を張る規模だ。
世界最大の
    青魚売買システム
年2万件200万トンが成約
説明する販売組合のクヌート・トルグネス販売ディレクター
(2008/10/30(木)掲載)
■青魚販売組合
 オークションは1日に8〜10回。販売先は国内に限らず英国、デンマーク、ドイツ、アイスランドに至るためすべてネットを使いオークションを行う。基本は1船売り。漁船は売り先が決まった時点で、売り先指定の漁港に直接水揚げする。
 基本は信頼関係。品質や漁獲内容は漁船の自己申告制。悪い物を「良い」と評価すれば、もちろん次の取引に響く。買い手にとっては、どの漁船が良いかなどの情報も重要だ。オークションへの参加はノルウェー政府の許可が必要。資金力などを査定する。
 お金の流れは、組合が販売先に請求し、組合経由で漁師に支払う。万が一、販売先がお金を払わなくても、組合が保障する。組合の手数料は15%ほど。24時間365日営業し、膨大な青魚を売りさばく。
陸揚げ前にオークション
漁業情報をホームページに掲載
資源管理の役割も
 組合は「漁師の立場を守り、マーケットの値段を安定させること」が最大の使命。販売価格には魚種によって最低価格を規定するなど、さまざまな取り組みがある。「漁獲割当量のコントロールも仕事の一つ」とトルグネス販売ディレクター。漁獲物のすべてを一括管理するため、漁獲枠の消化状況などを把握し、オーバーキャッチを防ぐ重要な役割を持つ。
 資源管理から漁獲管理、販売管理までの一貫した体制により、漁業者は安心して漁業に取り組むバックアップ体制が整う。(東京支社・磯崎真)
 「魚が船にいる間に、価格と売り先が決まる」とトルグネス販売ディレクター。漁師は漁獲した魚種、サイズ、グレードや水揚げ時間などを組合に通知。組合はオークションの漁獲対象時間内に集まった全情報をホームページに掲載する。