中国電力の上関開発建設予定の海の埋め立ては周辺海域の生態系に悪影響を及ぼすとして、スナメリやカンムリウミスズメなど計画地周辺に生息する希少生物6種と住民団体などが県を相手取り、建設用地造成のための公有水面埋め立て免許の取り消しを求めた「自然の権利」訴訟の判決が20日、山口地裁であった。飯田恭示裁判長は、原告の一部である希少生物の請求を却下した。
同訴訟は第1回口頭弁論で、原告を希少生物と住民団体に分離して審理されることが決定。今回の判決は希少生物が原告の訴訟になる。飯田裁判長は「野生生物が権利義務の主体となる根拠は見いだせない」と指摘し、野生生物は当事者能力がないと判断した。原告側は中国電力による環境影響評価が不十分などとして「埋め立て許可は違法」と主張していた。
原告側弁護団は「希少生物を原告として扱っていることには意義がある。今後は人間が野生生物の代弁者として、引き続き免許の取り消しを求めたい」、県側は「判決は妥当なものだが、原告の訴えの一部が却下されたにすぎない。埋め立て免許は適正なもので、今後も適切に対応していく」とコメントした。住民団体などの訴訟の次回弁論は12月2日。 |