フグの取扱量日本一を誇る下関で水揚げされる「下関ふく」のブランドを強化しようと、下関市は新年度、有毒な部位を除去したトラフグ「身欠き」の全国流通の可能性について調査に乗り出す。
市水産課によると、市内では唐戸魚市場仲卸協同組合の27社が中心になって「身欠き」を加工・販売。処理の技術が高く出荷量も多いことなどから、全国に誇れるブランドという。
しかし、東京都や大阪府などの大都市圏をはじめ、兵庫県、愛知県など多くの消費地では、条例で「身欠き」は処理途中の段階とみなされ、フグ処理師の免許がないと調理できないのが現状。このため、鮮魚店やスーパーに「身欠き」が並ぶことはほとんどない。
条例で「身欠き」を処理途中とみなす大都市圏などでは、トラフグは料亭などで食べるのが一般的。フグ処理師がいる料亭でさえ、下関のトラフグについては、品質や安全面で信頼度が高いため「身欠き」の状態で仕入れるケースが多いという。
調査では、山口、福岡両県などをはじめとした「身欠き」の流通が可能な自治体が全国にどれだけあるかの把握から、各自治体の条例の現状、全国流通や条例改正の可否、メリットや需要の有無、出荷可能量などまで幅広く調べる。
五十嵐一志水産課長は「業界は全国流通が実現すれば消費が10倍に伸びるとみている。デメリットとしては価格の低下が考えられるが、下関は品質の高さと大量にさばく能力があるので全国ブランドになり得るだろう」としている。
市は、新年度予算案で水産物ブランド化推進事業に約512万円を計上し、「身欠き」の調査も盛り込んだ。同事業ではこのほか、「下関ふくブランドDVD」を約30枚作製したり、「下関ふくブランド強化セミナー」を開く。 |