国の文化審議会(西原鈴子会長)は19日、萩藩の藩士・高洲家に伝来した「日明貿易船旗」と、高洲家文書117通を重要文化財に指定するよう川端達夫文部科学大臣に答申。いずれも近く答申通り指定・選択される。
「日明貿易船旗」は、赤間関の代官だった萩藩士・高洲氏が中国の商船との間で入港許可の確認を行うため、1584年(天正12年)に作製された。麻布2枚を縫い合わせたもので、大きさは縦167センチ、横95センチ。高洲家の家紋「剣巴紋」の下に、明側3人の連署で「来年6月に来航して貿易する」という内容が1584年10月の日付で墨書きされている。
一方、高洲家文書には、南北朝から江戸時代にかけて明との貿易の様子を記した文書などが含まれている。
県教委社会教育・文化財課によると、日明貿易に関する資料はあまり現存していないという。さらに「日明貿易船旗」には、貿易の実態も具体的に示されていることなどから、「他に類を見ないほど貴重な資料」として評価を受け、今回指定を受けた。高洲家文書は、南北朝時代から江戸時代にかけての交通史、都市史研究などに重要な資料になるとして、「日明貿易船旗」と同時に指定される。
両資料は県内在住の個人が所有しており、現在は調査のため、東京都にある。今回の指定で、山口県内の国指定文化財は241件。指定が決まれば、4月27日から5月9日まで東京国立博物館で展示される。 |