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祝島のエネルギー自立へ 島民とNGOが試み
2011年1月15日(土)掲載
中国電力の上関原発計画に29年前からほぼ島ぐるみで反対してきた上関町祝島の島民と東京の環境NGOが14日、太陽光発電など自然エネルギーで祝島のエネルギー100%自給を目指すプロジェクトをスタートさせた。当面、太陽電池100基の設置などを計画。活動資金はプロジェクト趣旨に賛同する人や企業から募る予定で運営団体も発足させた。地域でエネルギー自立を目指す試みはデンマークであるが、日本では初めて。

プロジェクトは「祝島自然エネルギー100%構想」。進めるのは島民494人(昨年12月1日現在)の約9割が加わる「上関原発を建てさせない祝島島民の会」(山戸貞夫代表)とNGO「環境エネルギー政策研究所」(飯田哲也所長)。支援者から資金を受ける運営団体として「島民の会」を母体に「祝島千年の島づくり基金」を設立。3月までに一般社団法人化する予定。

島で必要な電力を約1千キロワットと試算。今後10年をめどに1基3〜4キロワット(約150万円)の太陽電池を100戸程度設置。さらに、し尿を活用したバイオマス発電、小型風力発電、太陽熱温水器の設置や小型電気自動車、漁船用バイオ燃料を導入。農水産物の生産加工などのフード事業や自然保護団体と連携した自然観察のエコツーリズム事業などにも取り組む。

活動資金は1億円を超すと試算。資金を募る方法として企業やアーティストからの売り上げなどの1%を寄付してもらう「1% for 祝島」を開始する。同基金のロゴマークをデザインするイラストレーターの黒田征太郎さんや音楽家の坂本龍一さん、アウトドア衣料メーカーのパタゴニアなどが参加の意向を示している。祝島は、無農薬ビワやヒジキなどの産直販売で東京や大阪のグループとのつながりがあり、参加への問い合わせは14日現在で個人を含めて数十件に達しているという。

島民は中電が供給する電気を使用しているため、これまで反原発運動を展開していることへの批判があった。そこで自然エネルギーで自立することで、全国の祝島支援への輪を拡大させて、自立的な祝島づくりを進めようとプロジェクトを立ち上げた。

飯田所長は「太陽電池などの自然エネルギーの活用は原発と違って住民の意思さえあれば小さな地域で実現できる。祝島の試みは日本のエネルギー政策を転換できるか意味ある挑戦だ」と強調する。

山戸代表は「祝島は高齢化が進んでいるが、IUターンや島外からの支援が増えている。プロジェクトは上関原発を阻止するのが目的だが、原発計画と違って自然エネルギーには賛成、反対はない。3500人の上関町でも実施できる。町で実施するよう逆に提案したい」と話している。
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