「刑務所に入るために警察に捕まりたい」と、山口市のスーパーで買い物客をカッターナイフで切りつけたとして傷害の罪に問われた住所不定、無職の男(46)の初公判が12日、山口地裁(長倉哲夫裁判官)であった。同被告は起訴事実を認め、検察側は「通り魔的犯行で極めて悪質」として、懲役1年6月を求刑した。
起訴状などによると、2月6日午後7時50分ごろ、山口市大内長野のスーパーで、面識のない同市の女性(30)をカッターナイフで切りつけ、右手に全治3週間のけがを負わせたとされる。
冒頭陳述などによると、同被告は仕事を辞めて住居をなくし、金もなくなったことなどから死ぬことを決意し、昨年10月から約4カ月間、同市の山中にこもった。手持ちのわずかな現金が尽きてからは約3カ月間、水を飲むだけの生活を送ったという。
しかし、寒さや空腹に耐えられなくなり、刑務所に入って生活しようと考え、下山を決意。犯行前にスーパー内の書店に立ち寄り、刑法について書かれた書籍を読んで、刑務所に入るのに必要な法定刑を調べていた。
同被告は最終陳述で、「取り返しのつかないことをしてしまい、私は最低の人間。それに応じた罪になるようにお願いする」と裁判官に述べた。
検察側は被害者の身体だけでなく精神的にも苦痛を負わせたとして「処罰感情は厳しい」と強調。弁護側は、十分反省していることから執行猶予付きの判決を求めた。 |