下関市が同市岬之町の市有地に整備する新しい市消防局・中央消防署合同庁舎の起工式が5日、現地であり、市や消防、地元自治会の関係者ら約80人が出席した。新消防庁舎は来年9月までに完成し、同10月に運用を開始する。
市消防局によると、新消防庁舎は鉄筋コンクリート造り3階(一部4階)建て。延べ床面積は同市南部町にある現庁舎の2.5倍ほどの約5800平方メートル。1階にエントランスホールや防災体験学習室、車両倉庫、2階に消防局事務局や中央消防署事務室、体力練成室、3階に美祢市と共同運用する高機能消防指令センターや消防局事務室、作戦室などを配置する。総事業費は約35億円。
1961年に建設した現庁舎の耐震性能の不足などが理由の新築移転。新庁舎の敷地は、98年までに海を埋め立てた関門海峡すぐそばの市有地。地震発生時の液状化を防ぐため、昨年度に締め固めた砂のくいを約1100本を地中に打ち込む地盤改良を実施した。
同市では南海トラフ巨大地震が発生した際に最大で高さ3.7メートルの津波が想定されている。新庁舎では津波や高潮対策として、標高2.7メートルの敷地を50センチかさ上げし、さらに1階はエントランスホールなどの床を50センチ、防災体験学習室の床を1メートル高く設定。高さ1.1メートルの防潮板や防潮シートも配備する。
起工式で、吉川宗利副市長が「消防、防災教育の機能を充実させ、時代が求める新しい消防体制で運用する」とあいさつ。市消防局の金子庄治局長は「海のそばだが、敷地のかさ上げや非常電源の上階への配置などで津波や高潮の対策は取っている。防災体験学習室で市民に研修を積んでいただき、地域の防災力強化につなげたい」と述べた。 |