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伊の小説家カッソーラ初期作品集を翻訳、本に 山陽小野田の香川さん 
2015年8月19日(水)掲載
カルロ・カッソーラの作品を翻訳して刊行する香川真澄さん(左)と表紙の原画を手にする岡本錦さん
山陽小野田市山川の翻訳家、香川真澄さん(56)が20日、イタリアの小説家、カルロ・カッソーラ(1917〜87年)の初期小品集「商人の妻」を日本語に翻訳して刊行する。28編中27編が本邦初訳。表紙絵や挿絵は宇部市則貞の画家、岡本錦さん(71)が手掛けた。

収録するのは、大ヒット映画「ブーベの恋人」の原作者として知られるカッソーラの初期の短編集「訪問」「郊外で」「商人の妻」の3作品から精選した28編。身近な出来事を身近な言葉で表現している。

香川さんがカッソーラの作品と出合ったのは26歳のとき。フィレンツェでイタリア語を学び始めたころに書店で見つけ、装丁などに引かれて購入した。表紙に描かれた寂しげな浜辺の風景も異国での孤独感と重なったという。当初はイタリア語の作品を読むこともできなかったが、常に仕事場の机に置いて眺めながら折に触れては少しずつ訳していった。

約30年かけて邦訳を完成させた香川さんは「カッソーラが青春の痛みなど純粋な感情を表現したみずみずしい初期の短編。非常に分かりやすいので、特に若い世代に読んでもらいたい」と呼び掛けている。

岡本さんとは昨年2月に人物画サークルでデッサンのモデルを務めたときに知り合い、岡本さんがイタリア旅行を機に描いた中世の都市アッシジの油彩画を目にして「ぜひ表紙に」と依頼。岡本さんは「自分の絵が文学作品の表紙になるのはありがたい」と快諾し、中表紙や挿絵としてベネチアやベローナの水彩画も描いた。

A5判152ページ。1300円。発行元はイタリア文芸叢書刊行委員会。インターネットと西日本の書店で販売する。問い合わせは香川さん(電話090・9066・9966)へ。
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