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高効率排水処理システム開発 下松の日進工業
2017年3月7日(火)掲載
日進工業が技術開発したファインバブル油水分離装置=下松市
下松市平田のメンテナンス業、日進工業(弘中美光社長)が、微細な気泡「ファインバブル」を活用した排水処理システムを開発した。工業汚染水などの油水を効率的に分離させ、ランニングコストの削減や環境負荷を軽減できるなどの効果が期待される。すでに国内で事業化が始まっており、海外展開も視野に入れる。

工場などで出る油が混濁した汚染水はこれまで、産廃業者による廃棄や薬剤処理をする大規模な方法などで処理することが多かった。直径0.1ミリ以下の気泡ファインバブルを使った処理だと、原油が混ざった汚染水の場合はおおむね20分で90%、1時間で98%以上の油分を分離・除去する。分離後の水は再利用可能で通常の下水処理で対応できる。コスト面では装置の導入時の負担以外は安価に抑えられるという。

ファインバブルは水と空気を混ぜるなどして生み出す。汚染水に噴出すると、ファインバブルの表面に汚染水の細かな油滴が付着し水面まで浮上。泡が細かいため従来より早く浮上し分離できる。酸化防止や浄化など目的に応じて酸素、窒素、オゾンなどでもファインバブルを作ることができる。

2013年度から約6千万円を投じて開発し、このうち約4千万円は県のやまぐち産業戦略研究開発等補助金を活用。山口大と久留米高専の技術援助も得た。

同社はファインバブルの発生装置や油水分離装置の販売、処理システムの提供などで17年度から10年間で約30億円の売り上げを目指す。排水処理の技術発達が遅れている東南アジアでの事業も視野に入れる。

同社の中光眞史取締役は「環境に優しくお金をかけずに汚染水を処理することができる。産業排水だけでなく、生活排水にも範囲を広げたい」と意気込む。
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