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国の予防指針、守られず 下松トンネル事故、県企業局が報告書
2017年3月15日(水)掲載
下松市下谷の工業用水トンネル補修工事現場で昨年11月に発生した一酸化炭素(CO)中毒事故で、工事発注者の山口県企業局は14日、トンネル内の不十分な換気などが事故原因とし、工事に当たった業者が厚生労働省の「建設業における一酸化炭素中毒予防のためのガイドライン」の留意事項をほとんど実施していなかったと結論付けた。事故検証報告書を県議会土木建築委員会に示した。

同局の事故検証チームによる現地確認や受注業者のシマダ(山口市)への聞き取り調査によると、現場ではCO濃度を測定しておらず、換気装置の性能も不確認で、ガイドラインが把握されていなかったことなどが分かった。作業中は発電機などCOが発生する機械が使われていたが、事故が発生した場合の避難や連絡に関しての作業員への説明もなかったという。

事故当時のトンネル内のCO濃度は最大500ppmだったとみられるが、COが充満したことについて「当時の換気効果は本来の30%程度しかなかったと推定できる」と指摘。送風機の換気能力が不十分だったことなどを原因に挙げた。

同局は再発防止策として、ガイドラインに沿った作業内容となっているかを確認するためのチェックリストによる点検の実施、山口労働局と連携した安全講習会の積極的な開催などを報告書に盛り込んだ。

事故は昨年11月16日に発生し、作業員9人がCO中毒の疑いで病院に搬送された。事故当時、高濃度のCOが検出され、県警や労基署も原因を調べている。

14日の県議会土木建築委員会で、小松一彦公営企業管理者は「今回の事故原因は、ガイドラインが現場で徹底されていなかったことが最大の原因」とし、再発防止策を示した上で「二度とこのような事故が起こらないように万全を期したい」と述べた。

議員からは「公共事業をするときには安全を最優先にしてもらわないと困る」などの注文が付いた。
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