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下関の風力発電事業「受け入れ環境整ってない」、市環境審が答申案
2017年3月16日(木)掲載
下関市安岡沖で前田建設工業(東京)が計画する洋上風力発電事業について、市環境審議会(会長・鷲尾圭司水産大学校代表)は15日、同社の環境影響評価準備書に対する答申案をまとめた。「地元で受け入れられる社会的環境が整っているとは言えない」と指摘し、事業開始後も環境影響の調査を継続し住民に説明を尽くすよう求めている。22日に市長へ答申する。

洋上風力発電事業は国内での先行事例が少なく、陸地から最も近い発電施設が約1.5キロと近距離であることを改めて指摘。「特に低周波振動の問題は医学的な知見の蓄積に乏しく、住民の不安につながっている」などと総括した。

低周波の影響について同社は「環境省が昨年11月に発表した指針の基準内に残留騒音の増加量予測値が収まっている。影響は少ない」などと主張。しかし、同審議会は「全ての影響を把握できていないことを考慮すべきだ」と注文を付けた。

10万筆を超える建設反対署名が市に提出された経緯などを踏まえ、同事業の実施後も環境影響に関する調査を継続し、災害対応や観光振興面などを住民と協議するよう求める文言を盛り込んだ。藻場への影響を防ぐため、施工時に海中のにごりの拡散防止対策を実施することなども求める。

同審議会は同市古屋町の市環境部啓発棟で会合を開き、委員約10人が出席。委員からは「準備書から評価書に至る際に住民が納得するような調査を行うことを強調してほしい」などの声が上がった。鷲尾会長は「住民の一部に犠牲者を出していいのか、という地域社会の判断が下っていない段階なので『環境は整っていない』という表現にした」と話した。
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