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周防大島のニホンアワサンゴ群生地 陸域を国立公園編入
2017年3月17日(金)掲載
環境省は16日、日本最大規模のニホンアワサンゴ群生地に接する周防大島町の白木半島と沖家室島一帯を瀬戸内海国立公園に編入した。4年前に瀬戸内海初の海域公園に指定されたアワサンゴ群生地の保護に海と陸で一体化して取り組むのが狙い。過疎高齢化が進む地元では陸域の国立公園編入を機に、住民と町、県がアワサンゴの利活用だけでなく、地域のさまざまな課題を解決する振興プランを策定し地域活性化を目指す。

今回編入したのは佐連、地家室、伊崎、沖家室4地区の陸域約553ヘクタール。一部が「普通地域」の指定を受けていたが、沖家室島など約237ヘクタールを新たに加えて「2種特別地域」に規制を強化した。山林が7割で農地が3割。編入により、工作物の新増築や木、竹の伐採、土砂の採取などに許可が必要となる。

環境省によると、これまでの保護活動からアワサンゴの生息要因は、群生地に接する陸域からのミネラル豊かな湧き水にあると推測。アワサンゴの保護には陸域の環境保全が欠かせないため、昨年から地元住民を対象に説明会を開いてきた。

地元住民や自然保護団体はこれまで、編入区域内で竹林伐採や落葉樹のアベマキの植樹を続けると同時に、民俗文化財遺構などの掘り起こしを続けてきた。

編入を機に地元6自治会は4月に協議会を結成。アワサンゴ群生地を核として地区に残る五条千本桜、全国漁港百選の沖家室などの地域資源を生かしたエコツーリズムの推進やアクセス道、群生地の意義をアピールする施設の整備などの地域振興策を町、県と策定し、その実現に取り組む。

椎木巧町長は「陸域の編入で白木半島一帯があらためて注目される。一帯は道路事情が悪く、高齢化が進む。この機に地元住民と一緒に振興プランをまとめ、地域活性化に取り組みたい」と話している。

アワサンゴ群生地は約2千平方メートルに及び、個体数は約4万個。この海域約56ヘクタールは貴重な藻場、多様な魚介類、海の景観に優れ、2013年2月に国の海域公園に指定された。
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