山口新聞 ふるさと創生へ 県民とともに

   
萩市長に藤道氏 現職多選阻み初当選
2017年3月20日(月)掲載
初当選を決め、万歳三唱をする藤道健二氏=19日午後9時55分ごろ、萩市土原
任期満了に伴う萩市長選は19日、投開票され、新人で元銀行員の藤道健二氏(57)=無所属=が現職の野村興児氏(72)=無所属、自民推薦=を破って初当選した。緊迫した選挙戦で投票率は62.34%と、前回の47.11%を15.23ポイント上回った。

藤道氏は昨年12月、生まれ育った萩市のために「衰退するふるさとの再生に力を尽くしたい」と出馬を表明。現職が旧萩市から通算6期務めていることを指摘し、「どんな組織でもリーダーが24年間同じでは緊張感が薄れ、しがらみが生じてくる」と批判。「中小企業の支援に携わってきた経験を生かし、地場産業の活性化と活力ある市政を目指したい」と訴えた。

選挙戦は同級生らを中心にした後援会が結束。「市政の再起動とチェンジ」を掲げ、市内各地でミニ集会を重ねたり、街頭に立ったりして知名度アップに取り組んだ。特に、現職が推進する「萩・明倫学舎」の整備計画は「当選したら、中止も含めて見直しを検討する」と批判。今選挙最大の焦点に位置付け、支持の拡大を図った。

野村氏は自民党県連と市内7支部や農協、漁協など市内各種団体の支持を得た組織戦を展開。「萩・明倫学舎」の整備や来年の明治維新150年への取り組みを柱に、旧市から通算6期24年の経験と実績を盾に「最後の総仕上げを」と訴えたが及ばなかった。

当日有権者数は4万3086人(男1万9524、女2万3562)。

【解説】萩市長選は、新人の藤道健二氏(57)が現職の4選を阻止した。広域合併前の旧萩市時代から続く多選を批判し、さらに野村氏が推進する観光振興を柱にした事業展開の見直しを訴え、市長の座を勝ち取った。

30年以上金融機関に勤務し、中小企業の経営支援に携わってきたが、萩市在住の同級生らからふるさと萩の現状を聞き、昨年8月にUターン、12月に出馬を決意した。「どんな組織でもリーダーが24年間同じではチェック機能は失われ、しがらみも生じる」とし、「市政再起動」を掲げて立候補。選挙では「萩・明倫学舎」の推進計画見直しを前面に打ち出し、「金融界での経験を生かして地場産業を活性化させ雇用を増やしたい。それが若者定住や市民生活の向上につながる」などと訴え、支持を広げた。

萩市は県を代表する歴史観光のまちだが、基幹となる1次産業は担い手の高齢化や後継者不足が進展、進学や就職に伴う若者の市外流出、高齢化率は40%に達するなど人口減少と過疎・高齢化が深刻さを増しているのが現状。藤道氏はこうした現状を憂い、箱もの予算や観光政策の見直し、地域産業の活性化などに挑む。金融機関で培った経験がどこまでまちづくりに生かせるのか注目される。
戻る
山口新聞ホームへ

本ページ掲載内容の無断転載を禁じます。すべての著作権は山口新聞社に属します。
 Copyright(C)Minato-Yamaguchi Co.,Ltd.
お問い合わせは電子メールyedit@minato-yamaguchi.co.jp