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「南阿蘇に観光客を」全国公演続け1年 周防猿まわしの会
2017年4月15日(土)掲載
全国各地でチャリティー公演を行う「周防猿まわしの会」=2日、山陽小野田市
熊本地震で被災した熊本県南阿蘇村に常設劇場を持つ光市の「周防猿まわしの会」は、大地震で劇場が損壊し来場者数が大幅に落ち込む中、村を支援し観光客を呼び込もうと、全国各地でチャリティー公演を開いている。震災から1年を迎え、看板調教師の村崎五郎さん(51)は「温かい支援に感謝している。復興へはまだまだ遠いが、猿回しを通して全国で元気な姿を見せ、被災地の現状を伝えていきたい」と力を込める。

■再開も来場者激減
同会初の常設劇場として1989年に開設した南阿蘇村の劇場は、昨年4月16日の本震で大きな被害が出た。天井板が落下し、約200カ所で地割れが発生。電気などのライフラインが途絶え、調教師らは猿たちと車中泊を続けた。オープン以来初めて休業に追い込まれた。

「芸を通してお世話になっている南阿蘇村を支援したい」と、村崎さんはすぐにチャリティー公演を企画。光市浅江の小劇場を皮切りに東京や大阪、愛知、広島など各地で公演し、義援金を募った。これまでに約230カ所を訪れ、千回以上公演。集まった浄財は劇場の復旧に充てたほか、同村に贈った。

劇場は応急処置で4月29日に営業を再開。しかし、地震による土砂災害などで寸断された村へ続く国道は復旧のめどすら立っていない。来場者数は激減し、震災前1カ月に約1万5千人が訪れていたが、3千人ほどまで落ち込んでいる。

山陽小野田市の大型商業施設「おのだサンパーク」で先月31日から3日間行ったチャリティー公演で、南阿蘇村で練習を重ねた猿、まつ(1歳)がデビューした。同市出身の調教師、かき松さん(36)の合図で障害物の跳躍や玉乗りなどの芸を披露。大勢の観客を楽しませた。公演後に観客から義援金が寄せられ、村崎さんとかき松さんは「ぜひ南阿蘇村に来て」と呼び掛けた。

村崎さんは「劇場だけが復興しても意味がない。たくさんの人に南阿蘇村を応援し、来てもらえるようにこれからも活動を続けたい」と早期復興を願う。
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