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酒かすで豚を肥育 県農林総合技術センター
2017年5月5日(金)掲載
日本酒ブームにより山口県内で酒造量のさらなる増加が予想される中、美祢市伊佐町河原の県農林総合技術センター畜産技術部は、肉豚の飼料の一部に酒かすを使う試験に取り組んでいる。本来は処理しきれず産業廃棄物となる酒かすを有効活用し、養豚農家の飼料費を抑えるのが狙いで関係者の期待は大きい。

県酒造組合によると、同組合に加盟する酒造会社(24社)の課税移出数量(出荷量)を酒造年度(7月〜翌年6月)別に見ると、2005年度に2216キロリットルだったが15年度は5742キロリットルと10年で2倍以上伸びた。特に14年度から15年度にかけては1600キロリットル以上の大幅な増加となっており、今後、酒造会社の酒かす排出量の増加も予想される。

同技術部によると、酒造会社からは「酒かすの処理に困っている」という声もあるという。

酒かすが飼料として再利用できれば、養豚農家は酒造会社に酒かすを安く提供してもらうことで飼料費を節約できる。酒造会社にとっても酒かすを効率的に処理できることから、同技術部は酒かすの飼料化は双方にメリットがあると考え、15年度に試験を始めた。長野県が乾燥させた酒かすで試験し「質の良い肉豚に育った」という報告があるが、生の酒かすでの試験は初めてという。

試験最終年度となる本年度は、市販の配合飼料に混ぜる酒かすの割合など4パターンに加え、市販配合飼料のみを与える計5パターンで試験している。

同技術部は肉豚の発育状況や肉質への影響、採食性などを調査。良い結果が得られれば県内の養豚農家に酒かすを使った肥育を提案することにしている。

同技術部の広中智希専門研究員は「酒かすを活用することで飼料費が抑えられる可能性がある。養豚農家、酒造会社の両者にとってウィンウィンな関係が構築できれば」と期待を込める。
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