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チョウザメ養殖事業に参入 太陽光発電の長州産業
2017年8月10日(木)掲載
飼育場の水槽で育っているチョウザメの幼魚。右端は岡本晋社長=下関市
長州産業(山陽小野田市)が、高級珍味キャビアの生産に向けてチョウザメの養殖事業に乗り出した。今秋にはキャビアを試験生産し、チョウザメ料理を提供するアンテナショップも下関市に出店する計画だ。創業者の岡本要会長が亡くなるまで抱いていた夢で、思いを受け継ぐ岡本晋社長は「山口の新たな名産ブランドに育て、地方創生につなげたい」と意気込む。

同社は太陽光発電システムなどを手掛けるメーカー。異業種への参入のきっかけは、6月に亡くなった岡本会長の「山口産キャビアへの夢」だ。同社によると、「これまではハードばかり。世界に通用する食をやりたい」と、最後まで情熱を失わなかったという。

昨年春から研究を始め、同10月までに下関市などに飼育場を開設。県栽培漁業センターや県水産研究センターなどから技術指導を受け、現在は購入した稚魚や幼魚計約400匹を淡水の水槽で飼育。今月下旬に約1200匹まで増やし、数年後には3千匹まで引き上げる。

チョウザメは成魚まで育てて採卵できるまで7〜8年かかるとされる。チョウザメの魚卵、キャビアの本格販売は先だが、卵を抱えた雌の成魚を業者から譲り受け、10月ごろから試験生産する計画。同社は「キャビアの製造技術を早期に開発したい」とする。併せて下関市に飲食店の機能を備えたアンテナショップを同時期にオープンし、当面は食肉用として飼育したチョウザメを原料にしたメニューなどを観光客らに提供する。試験生産したキャビアも年明け以降に提供予定。

今後の事業化に向け、廃校になった空き校舎を有効利用して飼育場を増設することも検討。地下水が豊富などの条件を満たせばプールを水槽に改装するなどして飼育規模を拡大したいとし、既に下関、美祢市などに打診しているという。

岡本社長は事業を通じ、キャビア販売を中心に、チョウザメの生産から加工、出荷までを一貫して地元事業者で担う「チョウザメ県やまぐち」構想を夢見ている。「私たちは養殖経験は全くないが、夢を追い掛けたい。山口から日本一、世界一の高品質のキャビアを作り、郷土の誇りになれば」と胸を膨らませる。

県水産振興課によると、県内でのチョウザメ養殖は例がないという。同課は「県としても技術指導や情報提供などで少しでも支援したい。新たな産業が生まれることで県内が元気になれば」と歓迎している。
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