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実は大きさ日本一 円筒分水工に光を−防府
2017年8月13日(日)掲載
日本一の大きさを誇る防府総合用水の円筒分水工。夜間は展望台から青くライトアップされた姿が楽しめる=防府市
防府市迫戸町の佐波川沿いに、ひときわ目立つ円形の建物がある。川の水を農業用水として公平に供給する防府総合用水の円筒分水工。直径34メートルで現存する中で日本一の大きさを誇るが、地元での存在感はいまひとつ。市は7月下旬からライトアップを始め、知名度の向上を図っている。

所有する防府土地改良区によると、この円筒分水工は1959年に完成。佐波川から引き入れ土砂を取り除いた水を、円筒の中心から噴き上げさせる「逆サイホン」と呼ばれる構造。水は耕地面積に応じて周囲に設けた仕切りに沿って市内6カ所に分配される。

建設前は佐波川にあった四つのせきで水位を上げて取水していたが、51年の洪水に伴う改修で困難になったため8年かけて造った。59年ごろの市内の耕地面積は約1500ヘクタールあり、防府平野の広範囲に水を張り巡らせるため大規模になったという。

円筒分水工は全国に約100カ所はあるとされる。大きさで全国2位の岩手県奥州市のものは直径24メートルで、防府の分水工の巨大さが際立つ。一方で、市民に存在が浸透していないようだ。「日本一ということも、施設自体を市民はまったく知らない。自然の力だけを使った先人の知恵が詰まった近代文明なのに」と土地改良区の属宣義理事長(75)は嘆く。

そこで市は施設をPRしようと、近くの公園の再整備に伴い、ライトアップの企画を打ち出した。夏季は午後8時〜同10時の間、青や白色に浮かび上がり、今後は季節に合わせて色を変更する予定。近くに、水車や子どもたちが分水工の仕組みを学べる施設の整備も計画している。
 
市河川港湾課計画係の山久仁係長は「公園の展望台から全体を見ることができるほか、間近で水の流れを確かめることもできる。日中も夜もスケールの大きさを楽しんでほしい」と話している。
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