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しめ縄、劣化まで張り替えなしに 下関・豊北の二見夫婦岩
2017年9月14日(木)掲載
二見夫婦岩のしめ縄の張り替えの様子=1月2日、下関市
下関市豊北町北宇賀の海岸にある「二見夫婦岩」で毎年1月2日に行われるしめ縄の張り替えが、劣化するまで行わないことになった。豊漁や無病息災などを祈願する約160年前から続く伝統行事だが、主催する地元の二見自治会が作業の安全性などに配慮して変更を決めた。劣化しにくい素材で新調したしめ縄を張る作業を近くの神社の秋祭りに合わせて10月22日に実施する。

二見夫婦岩は高さ約9メートルの「男岩」と同約6メートルの「女岩」からなる。しめ縄は長さ約35メートル。新年恒例の張り替え作業は、ふんどし姿の男衆が両方の岩によじ登って新しいしめ縄を岩に掛ける。

同自治会などによると、男岩の頂上部に亀裂が生じ、2011年1月の張り替え作業中に岩がはがれ落ちた。その後、チェーンを巻き付けて固定していたが亀裂が大きくなり、崩落の危険性が出てきた。沖浜治実会長(69)は「以前から冬場の作業中の事故を危惧する声があった」と話す。

18年以降はしめ縄の材料の荒縄の入手が困難になったこともあり、昨年夏から対応を検討。歴代の自治会長を集めて意見を聴いた。「やめてはどうか」との声も出たが、「夫婦岩にしめ縄が掛かっていないのはよくない」との意見が多数あり、素材を軽くて丈夫なものにして実施することでまとまり、ことし3月の自治会総会で決定した。

新しいしめ縄は化学繊維を使用し、重さもこれまでの約250キロから約120キロと半減する。劣化するまでは10年程度と見込まれ、その間は1月2日に夫婦岩で神事のみ行う。うるう年の20年は通常、12個の縄の房を13個にするため追加作業がある。

張り替えに携わる人も少なくなり、高齢化しているのも現状。地元住民に愛され、大勢のアマチュアカメラマンら見物客も詰め掛ける勇壮な伝統行事だが、沖浜会長は「継続するのが難しくなってきている」との厳しい見方も示している。
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