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第64回山口県美術展覧会(県、県教委主催)では絵画や彫刻、写真作品、工芸など県内外から出品された469点のうち、公開審査を経て選ばれた入選・入賞作品163点を展示しています。このうち大賞、優秀賞を受賞した計6作品を、各作家の創作への思いとともに紹介します。 |
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| 【6】3年費やし現地で描く |
| 10月1日(金)掲載=おわり= |
2005年の特別出展以来、5年ぶり5回目の出展で優秀賞を受賞。防府市桑山の針間文彦さん(44)は過去2回、大賞を経験しているが、「賞をいただけて光栄」と喜びを表した。今回の受賞作品「宇宙樹(とは)」は自身にとってこれまでにない大作。7点の連作で、1枚当たりの大きさは縦約80センチ、横約117センチ。7枚並べると全長は約9メートルに。すべて黒と白の油絵の具だけでモノクロームに仕上げた。
モデルとなった樹木は、同市内でたまたま見つけたものだという。1枚目を描き始めたのは2007年の春。週2、3日ずつ通って現地で描き続け、1枚を仕上げるのに2、3カ月を要した。7枚目ができたのは今年の夏。3年がかりの力作となった。
「04年に大賞を受賞した『ハリマ風土記(春)』は桑山から、鳥の視線で描いた俯瞰した風景画だった。その後、虫の目線など低い位置からの絵などにも取り組み、『宇宙樹』はその両方の視線から描きたかった」という。
アトリエではなく、現場で描き続けたため、「風の強い日や寒い日もあった。現実は手ごわかったが、写真を見ながら描いたのでは描けない木との一体感を出したかった」。モノクロにしたのは「現場で色を着ける余裕がなかったから、黒と白だけで、その時の木の具合を描いた。長期間にわたって制作したので、白黒の中に若葉や紅葉も混じって、季節のうつろいを見ることができる」と明かす。
針間さんは、瀬戸内の風景や人、花などを描く「ハリマ風土記」をライフワークとしている。「宇宙樹」もその一環だという。
タイトルに「(とは)」を付けたのは「今回がより理想とするものを描くスタート。宇宙樹って誰も見たことがないが、自分が納得する作品ができたら『とは』を取って『宇宙樹』の作品としたい」と、すでに続編の制作に入っている。 |
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