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銅像のない町
 「この町に、銅像がないのがいいねぇ。奥ゆかしさを感じるね」この連載のイラストを担当している中村みつをさんが田布施に来たとき発した言葉です。「え?何のこと?」と聞き返しました。この小さな町から二人の総理大臣が出ているのに、銅像がない、という意味でした。岸信介さんと佐藤栄作さんです。二人は兄弟です。日本が進むべき道を決める激動の時代の総理だったので、日本人の記憶に鮮明に残っています。岸信介さんは激しい反対運動が起きた60年安保を乗り切り、佐藤栄作さんは沖縄返還を成し遂げ、晩年ノーベル平和賞を受賞しました。二人は町の誇りです。銅像は建てるお金がどこにもなかったからでしょう。しかし、ないことを褒められて気づきました。誇りは心の中にしまっておくものだ、それが品格だと。
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