「しものせき海峡まつり」が5月2(日)〜4日(火)に下関市内で開かれる。歴史を今に伝える数々のイベントの中でもひときわ目を引くのが、絢爛(けんらん)豪華な衣装をまとった女性たちが市内を練り歩く3日(月)の「先帝祭」上臈(じょうろう)道中・参拝。海峡を華やかに彩り、大勢の観客を魅了する5人の太夫を紹介する。
【1】
振袖太夫
大久保 奈緒さん
2010年4月27日(火)付掲載
師匠、家族への感謝胸に
花柳多佳広師匠(左)から指導を受けながら憧れだった振袖太夫の練習に励む大久保奈緒さん
一番手の振袖太夫を務めるのは、下関中等教育学校5回生、大久保奈緒(花柳多和奈)さん(16)。「小さいころから『外八文字』をまねするくらいあこがれだった太夫。今まで支えてくれた師匠や家族への感謝を込めてやり遂げたい」と意気込んでいる。
日本舞踊は4歳から始めた。斜め向かいに住んでいる花柳多佳広師匠の誘いがきっかけ。「舞台で師匠のように美しく踊れたら」との思いを胸にけいこを重ね、先帝祭でも警固や官女などすべての役割を務めてきた。
家族のようにときに優しくときに厳しく接してきた多佳広師匠は「自分の意思をしっかりと持った強い子。かわいらしさと凛(りん)とした部分をしっかり出してほしい」と期待を掛ける。厳しい名取試験に合格して得た「多和奈」の名は師匠と師匠の夫、和男さんから一字ずつもらった。
振袖太夫の官女は、同じ時期に日本舞踊を始めた妹の莉帆さん(15)が務める。奈緒さんは「あこがれてもらえるよう良いところを見せたい」、莉帆さんは「官女をちゃんとやり抜いて次は自分が太夫になれるよう頑張りたい」と身近な存在が互いに大きな力となっているようだ。
名取試験までは学校でバレーボールにも打ち込んでいた。20キロほどもあるという太夫の衣装をまとっての道中も「バレーで鍛えた体力があるので大丈夫」と自信をのぞかせる。当日は曾祖母のシヅさん(99)も晴れ舞台を見に訪れる予定。奈緒さんは「みんなに喜んでもらうため立派に務めたい」と決意を語った。
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