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四季風

「何を撮ったかではなく、何のために映画を撮るのか」。下関出身の映画監督佐々部清さんは、高倉健さんに言われたこの言葉を胸に、ずっと映画を撮ってきた
▼健さんに聞かされたのは降旗康男監督「ホタル」(01年公開)の助監督を務めたときだった。全国公開中の「八重子のハミング」も、高齢社会を迎えた日本で絶対に必要とされる、そんな信念で作った作品だ
▼昨年秋に先行公開の県内では、アニメ「君の名は。」に次ぐ堂々2位の観客を動員した。5月6日に公開された東京や横浜では、上映初日に長い列ができ、大阪では立ち見客や入場制限も出たという
▼反応の良さに作品を取り上げるメディアも増えた。上映館は29都道府県で38館にまで広がっているが、近く50館は超えそうな勢いだ。佐々部監督は7月中旬までの週末は舞台あいさつで全国を駆け回るうれしい悲鳴だ
▼主演の升毅、高橋洋子への映画評論家らの評価も高い。「奥深い演技」の表現もあった。佐々部監督が”究極の夫婦愛“と語りながらも、介護する側の視点で家族愛にも目を向けたこの作品は多くの人の胸を打った。観客の口コミも評判を押し上げ、業界でいう”大化け“の可能性さえ出てきた。(佐)
2017年5月23日(火)掲載
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