スーパー食品売り場やコンビニをのぞいて驚いた。「恵方巻き」の大文字の前に太めの巻き寿司がどさっと置いてある。節分のきょうは、とある方向を向いてこれをがぶりと食べるのだという
▼おいおい、ここは山口県だぞと、ついぼやきたくなる。古式捕鯨が行われた北浦、近代捕鯨発祥の地下関を中心に本県の節分といえば昔から鯨だった。「節分に鯨」は伝統ともいえるものだった
▼過去形にするしかないのは、鯨食文化が薄れ、節分時期のスーパー店頭でも、いつもより多めに鯨肉や加工食品が並ぶものの、売り場は恵方巻きとは比べようもない
▼それでも節分に合わせて長門市の小学校給食に鯨の竜田揚げを添えたり、山口市や長門市の一部の道の駅やスーパーでは鯨汁が振る舞われる。昔からの特色ある鯨食文化を継承していこうという心意気だ
▼往時に詳しい人の話では、節分だけでなく年越しにも鯨肉を食べていたそうで、大きいものを食べて大きな年をとる、あるいは命や広い心をもらうという意味があった
▼恵方巻きは関西の風習がコンビニやスーパー商法で、数年前から一気に広まったものだ。せっかくの長州の伝統である。関西の習わしに負けてはなるまい。(佐) |