| 二酸化炭素など温室効果ガス排出の削減義務が来年1月からスタートするのを控え、バイオマス発電、エコ舗装、水素ロータリー車など地球温暖化防止につながる商品やシステムの開発、屋上緑化など企業内での省エネ・温暖化対策が活発化している。山口県が開設したリサイクル関連企業のウェブサイト「やまぐちエコ市場」に参加する企業を中心に、その取り組みを紹介する。 |
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マツダ 宇部テクノエンジ トヨシステムプラント 岩国ウッドパワー岩国発電所 宇部マテリアルズ 山口合同ガス トクヤマ徳山製造所 下関三井化学 宇部興機 日環特殊 |
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中国電力 瞬報社写真印刷 エネルギア・エコ・マテリア 宇部衛生工業社 県森林組合連合会 長州産業 ジャスト東海 日本海洋産業 日立建設 県地球温暖化防止活動推進センター |
県地球温暖化防止活動推進センター(山口市吉敷)はこんな言葉を通して一般市民が気軽に取り組める温暖化対策を呼び掛けている。「『温暖化対策=がまん』ではないことを多くの人に伝えたい」。同センター職員の大森一世さん(29)は活動意義をこう紹介する。 同センターは、家庭レベルのエコ活動を促進する県内の拠点として、温暖化に関するイベントの企画、温暖化対策に取り組む市民団体へのアドバイス、地球温暖化防止活動推進員(131人、任期2年)の育成研修、情報誌の発行による普及啓発などを展開している。 本年度は環境省の委託を受けて「温暖化トメリンピック2007inやまぐち」を初めて企画。温暖化対策に取り組む団体、企業、学校などの活動を10月に審査して、来年2月に東京で開かれる全国品評会に出場する県代表を選ぶイベントを実施している。 8月末までに県内37団体から応募があった。決して多い応募数ではないが、大森さんは「潜在的には200を超える団体が活動をしていると思う」と期待を寄せ、イベントを通じて温暖化対策への関心が高まることに意味があるとの認識を示す。 一方で大森さんは、市民レベルでの温暖化問題についての関心度にはまだ大きな格差があるとも指摘。「温暖化問題に関心の高い人は増えてきたが、行動に結びついてない人も多い。実生活で自分に被害が及ぶと考える人がまだ少ないからでは」と推測する。 同センターによると、県内の家庭からの二酸化炭素排出量は2003年度で164万トンと、90年に比べて24.5%増加する厳しい状況が続いている。 大森さんは「地球温暖化問題が自分にリンクしている状況や、生活を見直すヒントを紹介して、一人一人の意識を変えていきたい」と意気込む。 |
| 【県地球温暖化防止活動推進センターの概要】1998(平成10)年制定の地球温暖化対策の推進法律に基づき、2001(平成13)年に全国で11番目の都道府県地球温暖化防止活動推進センターとして発足した。武居義弘センター長を含め職員3人が常駐し、温暖化防止の普及活動を進めている。 |
4億年前の太古の昔、海から地上に上がった最初の植物とされるコケ。二酸化炭素が現代の20倍といわれる過酷な環境を生き延びた強靭(きょうじん)な生命力を持つ。宇部市の日立建設(田上實社長)は、そのコケ植物を活用した壁面や屋上緑化で、「都市を冷やす」試みに挑戦している。 屋上緑化の問題点は、植物を育てる土壌が重くなり、建築物の構造強度が要求されることにある。コケは他の植物と異なって発達した根を持たない植物。根を張らないことで土壌を必要とせず、軽量化できるほか、空気中の水分と太陽光があれば成育するため、メンテナンスが不要という利点がある。そこに着目した同社は2004年12月に山口大工学部と共同研究をスタートさせた。 では、コケを栽培する基盤を何にするか。則近慶一・取締役技術部長によると、同社が自治体から収集してリサイクルしているガラス廃材を細かく砕いて樹脂結合することを考案し、四季を通してのコンクリート表面への温度の低減効果や保水能力などを調べる実験を重ねた。 その結果、正午から午後3時までの日照時間帯の温度低減はおよそ、春季でマイナス7度、夏季でマイナス9度、秋季でマイナス3度、冬季でマイナス3度。保水能力もコケが水分蒸発を抑える効果があるとのデータが得られた。 緑化に最適なコケは何を使うか。日本国内に2500種類ほど分布する中から「スナゴケ」を選んだ。スナゴケは日当たりの良い場所に成育し、乾燥に強く寒暖にも左右されない。基盤に土は不要で砂や石、ガラスなど無機質で育つ性質を備える。同社はガラスだけでなく、くずゴムや廃プラスチックを基盤にした壁面・屋上緑化商品を開発し、売り込みを図っている。 田上社長は「コケを使った緑化商品はビジネスモデルの一つとして取り組んでいるが、これに産業廃棄物を再資源化した素材を活用することで、循環型社会の構築にも貢献できると考えている」と話す。 |
| 【会社概要】1920(大正9)年創業、48年に株式会社化。土木・建築・舗装工事業が主業務ながら、93年から産業廃棄物のリサイクルに取り組み、アスファルト殻、コンクリート殻の100%、廃ガラス瓶の96.5%の再資源化率を評価され、今年3月、「高再資源化率(リサイクル)達成事業所」として山口県エコ・ファクトリーに認定された。本社は宇部市妻崎開作。県内外に支店や工場など10拠点。資本金3600万円。従業員約130人。 |
水素エンジン発電機はディーゼルエンジン発電機を水素エンジンに改造、排ガスや二酸化炭素を排出しない、環境にもやさしい機器だ。昨年10月から本格的な開発にとりかかったが、水素は燃焼スピードが速く、水素の点火タイミングを計るのに時間を要した。 第1号は琵琶湖の観光船に採用されることがほぼ確定。12月にも納入できる見通しだ。 水素生産量が国内の14%を占める山口県だが、水素ステーションは未設置。同社は周南市の化学工場から排出される副生水素を調達しながら、開発に役立てている。 松浦社長は「水素は山口県の資産で、インフラと技術は両輪。水素ステーションがガソリンスタンド並みに県内にどこまで広まるかが鍵」と水素供給体制の進ちょく状況も注視している。 発電機の技術を応用し、トヨタ製のフォークリフトのガソリンエンジンを改造、水素燃料化にも成功した。魚市場などで活用できるとみて、11月に下関漁港市場で開かれる「さかな祭」でのお披露目も計画している。BMWの水素自動車と展示に合わせ、水素技術のアピールに力を注ぐ。 同社は下関の企業などでつくる水素エンジン船舶研究会の中心企業として、2004年から水素エンジンを搭載する船舶の開発に着手。水素先進国アイスランドとの交流や、水産大学校や同志社大学との産学連携を積み重ねながら走行実験に成功、クリーンエネルギー漁船の実用化への可能性がみえてきた。 水素エンジン発電機を地域資源に認定してもらおうと、中国経済産業局に近く申請。「造船とエコの合体技術」と自負する松浦社長は、フグやウニと並ぶ1つの地産品、地場産業に育てたい考えだ。 |
| 【会社概要】1973年創業。業務内容は造船・修繕、機関部品販売などで、数多くのODAプロジェクトにも参加。近年は他社と研究会を立ち上げるなど、水素エンジン船舶開発にも力を入れる。資本金は4500万円。下関市大和町1の5の8。 |
同社の屋根融雪システムは、地中を20メートル−50メートル掘った地下ホール内に、自然界にある石を溶かし、それに不純物を混ぜた人工石「サーマルストーン」(特許申請中)と、樹脂製のらせん状チューブを設置。それを通じて吸い上げたセ氏13度から16度の大地熱を、屋根上に設けた「サーマルクイック」によって循環させ、積もった雪を溶かす仕組み。 稼働コストが月500円−1000円と、従来の電熱ヒーター式やガス温水循環方式と比べ割安で、さらに化石燃料を使用しないことで二酸化炭素の排出がなく地球温暖化防止への効果、すなわちCO2マイナスがあるという。07年1月に山形大学が行った実験でも、他社の融雪機器よりはるかに優れたデータが得られた。 04年から発売している温水式床暖房システム「サーマルクイック床暖房」は、一部分を暖めれば95%の伝導率で瞬時にパイプ全体に熱が伝わる薄さ9ミリの超熱伝導パイプをループ状にして床面にはめ込む。従来の床暖房では床全面に細かく配管してボイラーから伝わる湯を流していたが、この方式では1本の配管で済む。ボイラーからの給湯湯量を1日当たり25−30%減らして暖房費を節約できるほか、ボイラーの廃熱を抑える効果もあり、環境にやさしいシステム。 同社の飛躍は、ブリヂストンの給湯給水配管システムの総代理店として、ワンタッチの給湯給水システム樹脂部品「プッシュロックシステム」を取り扱ったことがきっかけという。これは高品質ながら水道局の規格外商品で、ブリヂストンも販売をあきらめていた。しかし、志賀社長(59)は工期が短縮でき、従来工法の5分の1で完成可能という利点に着目。69年1月に発生した阪神淡路大震災の復興事業で、仮設住宅に採用されたの契機に、「その後、ブリヂストンとして全国的に爆発的に売れた」(志賀社長)。 それ以降、志賀社長のアイデアを次々に製品化。「エアボード」は県内はもとより全国の学校などの公共施設、民間施設、一般住宅などに多くの納入実績を誇る。 05年11月から開発に着手した屋根の融雪システムは、このほど国交省の補助金を得て山形県舟形町の町営住宅に採用が決まった。公共施設への第1号となる。「このシステムを太陽光発電と組み合わせることで、CO2の排出はゼロからマイナスになる。環境に優しいシステムであることを官庁の皆さんにも知ってほしい」と、10月3日から東京ビッグサイトで開催される国際福祉機器展に出品してアピールする。 志賀社長は「1840年ごろの産業革命以後、過剰生産と利益追求のみで環境問題を無視してきたことが地球に負荷を与える結果となった。われわれのような小さな会社でも次世代が住み良い環境を残す仕事ができるはず。そのために多くの人たちの協力を得ながら新しい環境ビジネスを構築したい」と、一歩先をゆくアイデアの追求に余念がない。 |
| 【会社概要】1994(平成6)年創立。2002年、県中小企業経営革新法認定、宇部市中小企業技術高度化事業推奨品など選出。03年、ベンチャープラザ全国大会へ2年連続中国地区代表として出場。宇部市厚南区上中野の本社のほか、九州営業所、名古屋営業所。資本金1000万円。従業員13人。 |
太陽光発電は、シリコン半導体の光電効果を利用した太陽の光エネルギーを直接、電気エネルギーに変換する仕組み。同社の太陽光発電システムは「HIT太陽電池」を採用し、高い発電性能を発揮する。 HIT太陽電池は、結晶系基板とp型およびn型アモルファス層の間の不純物を添加させないi型アモルファスシリコン層を形成することで、従来の結晶系シリコン太陽電池と比べて発電ロスを減らすことが可能になった。さらに最大出力210ワットのモジュールを採用し、太陽光パネルの設置枚数が少なくて済むメリットがある。さらに大手の三洋電機と組み、太陽光を熱エネルギーに変換する変換効率が世界で最も高い19.5%をクリアしている。 また、環境共生型給湯機「エコキュート」は、オゾン層に深刻な影響を与えるフロン系冷媒を使わず、自然冷媒を採用。これによりオゾン層破壊計数はゼロ、地球温暖化計数もフロン系冷媒の約1700分の1を実現させた。 岡本要社長(70)によると、太陽光発電システムは欧州各国が盛んだ。製品価格が多少高くても売れるため、日本の各メーカーが製品の約70%を欧州向けに輸出する。そんな中、同社は国内向けに専念してシェア約10%を確保している。 「地球温暖化が懸念される今日にあって、クリーンエネルギーの分野で即座に役立つのは太陽光発電システムです。田舎の会社ながらシェア10%はわが社の強み。今後、15%、20%と広げたい」と岡本社長。エコキュートとIHクッキングなどオール電化システムとの3点セットが「地球環境に貢献できる製品と捉えて、軸足を置いている」という。 製品の開発にあたっては、山口大や山口東京理科大などとの産学官協同研究などに取り組む。しかし、その底流に流れる同社の技術開発能力は、会社設立5年目の1984(昭和59)年にさかのぼる。半導体装置関連への参入を目指した岡本社長は、従業員を半導体メーカーに次々に送り込んで技術を習得させた。「最先端技術を駆使する半導体製造はあらゆる技術の頂点。そのときに蓄積した最高水準の技術力が財産となっている」。 さらに、96年から本社機能や工場などを集約している同市山野井の本社・工場敷地内に第3工場となるC棟(延べ床面積2万5400平方メートル)が今年3月から稼働。1640平方メートル、1360平方メートルと2つのクリーンルームなどを備え、太陽光発電システムやエコキュートのほか、液晶やプラズマ・ディスプレー・パネルにつづく次世代の薄型表示装置として注目される有機エレクトロ・ルミネッサンス(EL)の量産化を図る。 「今年10月で創業27年目を迎えるが、これまで蓄積してきたノウハウを生かして新規分野に活路を見出したい。それはトップとしての私の決断にかかっている」と、岡本社長の視線は常に先にある。 |
| 【会社概要】1980(昭和55)年10月設立。家庭用給湯機器・環境機器の製造・販売、半導体製造装置・液晶パネル製造装置・メカトロ機器の設計・加工・組み立て・据え付け・メンテナンスまでの一貫業務、半導体製造装置関連部品の超精密板金・機械加工など。本社・工場は山陽小野田市山野井、小野田工場、広島工場、九州工場。支店・営業所は東京、大阪など7カ所。資本金3億6000万円。従業員約530人。 |
県は02年3月に「やまぐち森林バイオマスエネルギープラン」を策定。間伐材など、再生可能で地球環境に優しいバイオマスエネルギーの利用を推進している。 木質ペレットは、木材を皮ごと砕き、粘着剤などを使わず高温・高圧で固めて加工する。化石燃料に比べて二酸化炭素の排出量が少なく、亜硫酸ガスなど有毒ガスが発生しない。圧縮するため単位体積あたりの発熱量が高く、運搬にも便利だ。 県内の間伐材のうち、利用されているのは5%ほどで、ほとんどは山に放置されたまま。木質ペレットを作るには2.2倍の重量の木材が必要で、1度に大量の間伐材を活用できる。「少しでも山林所有者に利益を還元し、間伐への意欲を持ってもらいたい」と、ペレット工場の導入を決めた。当初の試算では事業費が2億5000万円にも膨らみ、採算が合わないと1度は断念したが、各地で製造施設を視察するなどして研究を重ね、実現にこぎつけた。 岩国市天尾のペレット工場は、木材破砕機や乾燥機、梱包(こんぽう)装置などを備え、事業費約1億3500万円。年間生産能力は1500トンで、05年度は81トン、06年度は445トンを製造。将来的には1200トンまで増やしたい考えだ。木質ペレットは1キロあたり35円(税別)で販売され、公共施設の冷暖房用ペレットボイラーや、家庭用のペレットストーブなどに使われている。 原料となる間伐材は、地元の錦川森林組合から購入。市場に出す手間を省くため、木材1トンあたり7000円で直接買い付ける。2メートルほどの長さに切ったものであれば、商品価値のないものでも引き取っている。同連合会環境製品課の田村満俊課長は「木質ペレットとしての利用が徐々に浸透してきている」と手応えを感じている。 「山を放置していてはひ弱な木しか育たない。伐採と植林のローテーションが必要で、間伐は林地保全に不可欠」と田村課長。今後は、県と協力しながらペレットボイラー施設を増やし、ペレット原料になる間伐材の供給地域を広げていきたいという。 |
| 【組織概要】県内の9森林組合が出資して創設。9組合の組合員数は計約5万2000人。岩国市や山口市など県内4カ所で木材市場を開くほか、県産木材を使った商品の開発や苗木の販売、保険事業などを手掛けている。 |
同社は06年4月、同市山中の宇部テクノパーク内に開設した食品リサイクルセンター「きららエコフィード」で操業を始めた。施設の処理能力は1日当たり最大12.1トン。県内各地から持ち込まれたり、回収したスーパーやコンビニなどの賞味期限切れ商品や、学校、ホテル、レストランなどから出た残飯などを原料にして約2トンの飼料を生産。その飼料を「きららミール」の名称で畜産農家に販売している。 同センターの生産設備は、減圧乾燥機を中心に原料の投入から製品の出荷まで全自動化されたラインで処理。制御室による集中管理で省力化や安全、衛生面に配慮しているほか、水処理設備や脱臭処理設備の公害防止設備も設けている。減圧乾燥方式での処理は、低温乾燥であるためタンパク質やデンプン、糖質の変化を抑え、栄養価が高くミネラルを豊富に含んだ飼料を生産できることが特徴だ。さらに、県畜産試験場と連携した育成試験を重ねて、製品の高品質化、安全化に努めている。 同社は1963(昭和38)年創立以来、浄化槽の清掃や維持管理、一般廃棄物や産業廃棄物の処理などを主な事業にしてきた。サラリーマン生活を送っていた中島社長(59)が92年に父親から会社を引き継いだとき、下水道設備の普及などで事業は縮小傾向にあった。中島社長は廃棄物処理のノウハウを生かした抜本的な新規事業を模索した。 食品リサイクル法の施行を踏まえ、最初は食品廃棄物を堆肥(たいひ)にする事業を検討したが、市場はすでに飽和状態。次に考えたのが飼料化だった。「食の安心・安全の世界であり、コスト的にも厳しいとためらったが、将来展望が開けるでのではないか」(中島社長)と踏み切った。02年から事業化を検討し、04年に実験機を導入して実証試験。05年、実用化レベルに達したと判断して事業化に乗り出す。「循環型社会の中で、廃棄物処理の事業が、これまでの静脈型産業から動脈型産業に転換しなければいけない」との信念だった。 中島社長は「食品廃棄物は単なる廃棄物ではない。食物連鎖の一環でとらえれば、これはごみではなく資源。安心・安全を考慮して排出者に対しても分別の徹底を求めた。われわれも雑菌の除去など中間処理を確実に行い、安心・安全レベルの向上に努めている」。最近の追い風はバイオエネルギー問題に絡んだ配合飼料価格の高騰だ。同社が生産する再生飼料を安く家畜農家に提供することで、農家の生産コスト削減に貢献できるとみている。 中島社長の目標は、同社のエコ飼料を地域の畜産農家が利用することによる地産地消・地消地産型の食品循環リサイクルの構築。「そこに地域社会におけるわが社の存在意義がある」という。 |
| 【会社概要】1963(昭和38)年の創立。食品リサイクル(飼料化)、一般および産業廃棄物の収集運搬・処分、浄化槽の維持管理・清掃、配水管高圧洗浄処理、配管内カメラ調査、仮設トイレ販売・レンタルを事業展開。本社は宇部市妻崎開作。資本金4000万円。従業員30人。 |
「Hiビーズは、火力発電所で排出された石炭灰のリサイクル製品なんですよ」と開発に携わったエネルギア・エコ・マテリア企画営業担当課長の樋野和俊さん。 中電の新小野田発電所(山陽小野田市)から出る石炭灰を活用しようと開発された、県認定のリサイクル製品。白っぽい灰色の球形の内部に細かなすき間が無数にあり、体積の約20%にあたる水を吸収できるという。当初は港湾の工事現場で海砂の代わりに使われていたが、用途を広めようと活用方法を模索していた。 そこでアイデアを出したのが、日本道路中国支店山口営業所の秋野忠明さん。水をためる特徴に目を付け、雨水を通す透水性施工のアスファルトの下地に使って地表温度を下げる「保水性路盤」を提案した。話を聞いた樋野さんも「いけるんじゃないか」。4社共同で研究が始まった。 実用化に向け、頭を悩ませたのがHiビーズの分量。舗装の強度と保水性能、ともに最大の効果を出さなければならない。実験を繰り返し、コンクリート片(RC)とHiビーズを半量づつ混ぜ合わせる配分にたどり着いた。 04年12月からは本格的な実証実験もスタート。山口市吉敷の維新公園前の歩道や、防府市の木材会社駐車場に施工し、路面の温度を4日間にわたって最大で5度程度下げる能力を証明した。「自然に水を含み、じわじわと気温を下げていく」(秋野さん)のが最大の特徴。4日間という持続力がポイントという。 さらに今年度は、県の事業として保水性路盤の実験も始まった。山口市秋穂二島の県セミナーパーク体育館横の駐車場では、梅雨明けを迎えた7月23日、Hiビーズを使った保水性路盤の工事が行われた。駐車場の約1000平方メートルを保水性路盤で施工し、残りは通常の舗装を実施。8、9月の2カ月間を通じて、温度変化を観察して保水性路盤の効果を検証する。 保水性路盤という形で広がり始めたHiビーズの新たな可能性。樋野さんは「RCなど従来の素材と合わせて、地球温暖化防止のために使ってもらえるようになれば」と期待を込める。 |
| 【会社概要】2003年4月設立。火力発電所の副産物である石炭灰・石こうを活用した商品を製造・販売する。石炭灰有効活用技術のコンサルティングや技術指導、新たな活用技術の開発なども進める。広島市中区国泰寺町1の3の22。 |
クリオネマークは廃液を出さない、有機溶剤を使わないことを目指し、上から「ゴールドプラス」「ゴールド」「シルバー」の3段階のステータスがある。同社が取得した「ゴールドプラス」は、より繊細な写真表現ができる印刷手段「FMスクリーニング」の採用が認証条件だった。 FMを使えば、通常の印刷方式に比べてアミ点の平均的なサイズが2.5分の1と小さいのが特徴。インクの量も10−15%抑えられ、環境負荷も少ない。 複雑に色調や階調が混在する、関門海峡を写した遠景写真も、関門橋のケーブル1本1本まで鮮明に再現。従来の印刷方式では再現の難しかった細かな線をくっきりと描き出す。 ただ、印刷のスピードが遅くなることなどから、インク量の抑制が必ずしもコストダウンに直結しないという。 認証取得の指揮をとった藤田育夫専務の話では、「FMスクリーニングで安定して印刷するのは簡単ではなかった」そうで、FMの技術を習得するのに1年を費やした。 当初は紙にきれいに転写されず、手さぐり状態で適度な湿度、温度を探り当てた。湿度が一定せず30%以下になると、うまく印刷できないことが判明。適した印刷環境を突き詰めるうちに「印刷に関しては負けない」(藤田専務)自信をつけた。 全印刷物のうち、FM使用は25%。萩焼のカタログやミュージカルのプログラムなど品質にこだわるものに多く採用されてきた。 同社の環境への姿勢をさらに強めたのが、7月のCoC認証の取得だ。国際的な組織、森林管理協議会(FSC)が認証する制度で、伐採、植林の面で適切に管理された森林の木材で製造加工された紙を使うのが条件とされる。 紙そのものも環境に配慮したものを使おうという狙いから取得。背景には、再生する過程で二酸化炭素を大量に排出するリサイクル紙からの方向転換があるという。 |
| 【会社概要】1882年創業。06年にプライバシーマークを認証取得するなど個人情報保護にも努める。東京、福岡市に支店を、北九州市と山口市に営業所を構える。06年の売上高は約45億円。従業員は約210人。下関市長府扇町9の50。 |
その負荷平準化策として考えられたのがオール電化。同社の沖原敏明販売事業本部マネジャーによると、電気温水器が発表されたのが1964年。深夜電力の有効活用ということで普及に力を入れ、2年後には契約数が全国電力会社のトップとなった。しかし、2度のオイルショックで電気料金が2倍に上がり、電気温水器離れが進行。 同社は約10年前、他社がまだ動いてなかった時期に電化住宅プロジェクトを立ち上げた。住宅メーカーと協力して台所周りを改善、電気クッキングヒーターを送り出した。その後、IHヒーターなどメーカーの開発が進み、普及は右肩上がりという。 電気温水器も省エネと環境性に優れた「エコキュート」が出現した。ヒートポンプで大気熱とCO2冷媒を活用し、熱エネルギーとして利用する給湯器。従来の3分の1の電力で湯が沸かせるとあって利用者にも喜ばれている。例えば温水器単体の電気料金が1カ月4000円だったとすると、エコキュートでは1200円で済むという。2002年からは国の設置助成制度がスタートし、急速に伸びている。 オール電化の定義は、家庭の熱エネルギーすべてを電気でまかなうこと。同社は電化住宅に有利な料金体系を打ち出した。2000年に導入したファミリータイム料金は、電気温水器やエコキュートなど深夜電力を使う家庭向け。ナイトタイム料金は同じだが、基本料金が高い安いでデイタイム料金の違いがある2つのプランのほか、季節区分や時間帯区分などでも分かれ、家庭の電力使用状況に合わせて最も割安な料金体系を選べる。 沖原マネジャーは「温水器やエコキュートを含めた給湯器の世帯普及率を、09年に26.8%まで引き上げるのが目標。併せて電化住宅も同16.9%へ伸ばす。そうなれば自然と電化住宅化が進むと思う」と見通しており、「今後も環境を考慮した活動から消費者へ幅広い選択肢を提案していきたい」と話した。 |
| 【会社概要】設立1951年。本社広島市中区。今年3月末現在の資本金1855億2762万円。従業員10426人。売上高9960億円。発電設備は火力・水力・原子力合わせて110カ所あり、発電能力は計約1220万キロワット。 |
国内では毎年、680万トンの脱水汚泥が焼却、埋め立てなどで処分されており、減量化や資源化ができるシンプルなシステムの開発が求められていた。「高い費用で処理する必要はない」(同社)の発想から、2002年以降、蓄積した下水処理技術を生かしながら、汚泥をバイオマス(有価物)資源として回収するシステムの確立を目指した。 汚泥の容積を小さくしながら、汚泥に含まれるエネルギーを逃さず、いかに水を効率良くとばすかが課題だった。高速回転ディスクで汚泥微生物の細胞膜を破壊、可溶化してタンパク質や炭水化物、脂肪、水などに微細化。600度の高温で乾留して作る炭化物は発電所や焼却場の助燃材に。ほかにも、活性炭はダイオキシンの除去剤に、メタンガスは発電などに、水素ガスは燃料電池に活用できる。 2005年には業界初の汚泥減容車「フェニックス」が完成。25トントラックに汚泥を濃縮、脱水、乾燥して炭化物として処理できる機器をコンパクトに搭載した移動車で、取り付けを希望する事業者向けに実証試験できるのも強みだ。 他社でも同様の技術は確立されているが、同社のシステムは資源化物を固体、液体、ガス体の中から選べるのが特徴。物理的に汚泥を破壊するシンプルな技術のため、設備、運転コスト面でも抜きんでているという。 梅田洪日社長は「高い費用で汚泥を処理する必要はなくなった。品質を落とさずにローテク、ローコストの商品が要求されるなか、売れる商品の品質を保つのが大事」と自信をのぞかせる。1日に10トンの炭化処理能力を持つ設備を整えると5億円かかるが、他社に比べると半分ですむという。 大豆かすを含んだ汚泥が大量に出るのに悩んでいた山口市の豆腐店に導入済み。汚泥が出やすい食品製造関係を中心に、設置を働き掛ける。自治体の下水処理場の汚泥処理にも有効で、2−3年内には全国で30−40カ所への普及を目指している。 同事業部は、底板が全開することで特許を取得した重量物の保管・運搬容器「カンテナ」とともに、同社の収益の柱となるように力を入れている。 |
| 【会社概要】1988年創業。ごみ焼却や下水道処理施設の設計・施工、維持管理など。バイオマスタウン構想を打ち出すなど環境事業に力を入れるほか、下関市内で岩盤浴施設も手がける。06年度の売上高は40億円。同市山の田東町7−1。 |
同社の太陽光発電式白色LEDは、蛍光灯の約半分という低消費電力、約20年という超寿命、超高輝度LEDを最適配置することによる同一ワット数の白熱電球や蛍光灯をはるかに上回る明るさが特長だ。 太陽パネルの電圧で日没を認識すると、待機点灯で点灯を開始。任意設定可能な数時間を経過すると自動的に消灯する。同時に待機点灯中、人体検知センサーが人の接近を感知すると数分間省電力点灯して照らす。設置は基礎工事だけで済む。これまでに県内外の学校などの公共施設や山陽自動車道パーキングエリアなどに約500灯の設置実績があるが、その7割は県内。県外への販路拡大を進めている。 同社は油圧配管工事を原点に、セメント業界などのプラント工事や橋梁といったインフラ設備工事などが本業。その会社が白色LEDを利用した街灯の開発に乗り出したのは6年前にさかのぼる。 当時、県、山口大学工学部の田口常正教授、宇部興機の産官学でLEDを使った新しい製品開発を進めた。そして、白色LEDを利用した次世代の照明装置として太陽光発電白色LED街灯を発明し、特許を取得した。 現在、全国でLED照明街灯を取り扱っているのは数百社で、この街灯の存在は認知されてきている。しかし、「LEDは非常に暗い」との指摘がある。他社は価格に跳ね返るコストを抑えようとしてLEDの個数を減らし、照度を落としていることが原因の1つという。同社は、自社で設計・製作する強みを発揮、LEDの数を減らすことなく装置自体もコンパクト化して低価格高品質を実現させ、他社との差別化を図っている。 主な納入先は官公庁だが、そこには取引実績という“壁”が立ちはだかる。どんなに優れた製品でも過去に取引がなければ門前払いを受けるため、思うように業績を伸ばせなかった。 朗報は宇部市が2005年度に始めた認定新商品随意契約制度で第1号の対象事業所に選ばれたことだった。行政の“お墨付き”を得たことが実績として評価され、県内外の自治体や国交省などに販路が広がった。このほど県の新事業分野開拓事業者にも認定され、追い風が吹き出した。 同社環境事業部の清水健滋部長は「現在は角ばった無骨な製品だが、曲線を生かしたデザインの試作品も作っている。価格を10万から20万円台にして、ハウスメーカーの一般住宅にも採用される製品も開発したい」。 同事業部は、底板が全開することで特許を取得した重量物の保管・運搬容器「カンテナ」とともに、同社の収益の柱となるように力を入れている。 |
| 【会社概要】1969(昭和44)年創業。管工事、鋼構造物工事、機械器具設置工事などが中核事業。宇部市善和の本社のほか、同市の宇部興産機械内に沖の山事業所、太陽石油山口事業所内に西沖事業所を有する。ISO9001S2000の認証取得。資本金2000万円。年商20億円。従業員70人、協力会社は中国大連の企業も含め20社。 |
同社は省エネ、環境対策の一環として重油に頼らないエネルギーを探すなか、自社で燃料を集めるのは困難−などの検討課題に直面し、エスコ事業を活用した別エネルギーの導入を目指した。 エスコ事業は省エネの技術やノウハウを持つ企業が設備や技術、人材、資金などを提供して省エネ設備を設置。その設備で生産されるエネルギーを販売することで、顧客のエネルギー効率改善に寄与する事業形態で、省エネ実現の有効な手段として注目されている。 同社は候補事業者のなかから「ボイラーの保守、点検の技術を持っている」(同社)と判断して、兵庫県尼崎市のボイラー製造を建設するタクマの関係会社で、エスコ事業を行うエナジーメイト(大阪市)との間で、木材チップを燃料として生産した蒸気を供給してもらうことで合意。04年に売買契約を結んだ。 下関三井化学が敷地内の土地を貸し、エナジー社がボイラー設備を建設。燃料在庫を切らさないよう、木材チップ置き場も貸し出している。下関三井化学にとっては木材チップ調達に追われることなく、蒸気が容易に手に入り、高騰する重油燃料よりも安価で購入できるのもメリットだった。 同社の土井清人常務取締役工場長は「重油を燃料として生産するよりも環境負荷が少なく、経済的」と導入の理由を語る。 近隣の工場6社にも蒸気を提供。近隣を含めて年間必要量50万トンのうち、4割にあたる20万トンの蒸気を生産する能力を持つ。 ただ、安定操業のため、木材チップだけに頼らず、引き続き重油ボイラーでも蒸気を生産。今年に入ってからはクリーンな天然ガスも部分的に導入し、重油一辺倒からの脱却を図っている。 |
| 【会社概要】1922年創業後、日本初のアンモニア合成を本格スタート。60年からリン酸の生産を始める。2000年に三井化学から独立分社化。三井化学(東京都)100%出資の子会社。資本金は40億円。従業員は160人。下関市彦島迫町7−1−1。 |
同社は電子材料分野への進出を検討するなかでパソコンなど電子機器の普及に伴う半導体の需要増を見込み、1981年に多結晶シリコンの開発に着手。わずか3年後の84年に製造プラントを操業、生産を始めた。 操業当初に年間200トンだった生産能力は、04年には5200トンまで飛躍的に成長した。今後も太陽電池の需要が急激に拡大し、パソコンや携帯電話、デジタルカメラなどデジタル製品の市場が活発で半導体の需要も増加すると予測。年産3000トンの能力がある新プラントを09年度中の操業を目指し、建設を進めている。完成すれば同社の多結晶シリコン生産能力は年間8200トンに増強される。 操業からこれまで順調に歩んだように見える同社の多結晶シリコンだが、半導体不況による需要の縮小など景気の波に大きく揺れた時期もあった。 80年代後半から90年代は需要の低下で在庫を抱えプラントの稼働率が低下。90年代に入ると需要が回復しプラントを増設したものの、再び悪化し社員の一時帰休を余儀なくされた。しかし、この頃から太陽電池の需要が伸び始め、太陽電池用の多結晶シリコンを生産するようになった。 研究と開発にかかわる理事でSi部門の渡木詠壹副部門長(57)は「われわれは半導体用の多結晶シリコンを狙って操業したので、太陽電池用は頭になかった。しかし、半導体不況で売れないので、半導体用を維持しながら太陽電池用を製造する動きになった。太陽電池に助けられたところもある」と振り返る。 環境問題に対する関心が高まり一般家庭でも導入が進む太陽電池だが、欧米に比べると国内での設置数は少ない。特に環境立国のドイツは世界市場の55%を占めるとされる。欧州ではドイツに続き各国で充実した電力の買い取り制度が導入されるため、将来的な市場はさらに拡大すると見込まれる。渡木副部門長は「ドイツがあれだけ伸びるのは制度が充実しているから。日本でより普及させるには太陽電池の価格が下がり、欧米のように制度を充実させる必要がある」という。 太陽電池の需要増でトクヤマ以外の多結晶シリコンメーカーも生産体制を増強しており、今後はコストや価格面での競争激化も予想される。 渡木副部門長は「われわれは環境負荷低減の製品群を生産することでCO2削減に寄与していると自負している。太陽電池がより普及するためには、より良い製品をコストを抑えて生産することが課題」と話す。 |
| 【会社概要】ガス製造、供給販売など。創立は1915年で、77年に社名を山口合同ガスに変更。2000年に天然ガス転換作業を始め、04年に完了。05年にショールームがオープン。資本金は4億8750万円。従業員は460人。下関市本町3の1の1。 |
大手ガス会社など6社が共同開発したエコウィルは、クリーンな天然ガスで発電。その際に発生する排熱で湯を沸かしたり暖房もできる、家庭用のガス・コージェネレーションシステム。発電と給湯、暖房が1台で可能で、二酸化炭素を約30%削減できる効果もある。 エコウィルが賄える電気は、一般的な家庭の使用量の3−4割。コンピューターに電気や給湯の消費具合などを把握する学習機能が備わっている。お湯が足りなくなれば、機器の中に組み込まれた給湯器が補助的に動くなど、各家庭の生活パターンに応じて発電する仕組み。 同社の場合、発電機と湯をためるタンクの一式が80万円半ば。省エネ性が認められて、導入時には国の補助金もある。本年度は15万2000円が支給される。マンションだと設置スペースの問題から導入が困難なため、新築を中心に一戸建てに取り付けられたケースがほとんど。 エコウィル導入で、光熱費は従来に比べて年間で約20%削れる計算になり、経済性にも優れている。 部屋全体を均一に温める床暖房や、浴室のミストサウナ、浴室暖房乾燥機などに使えるのも魅力で、「いろいろな生活を提案できる」(営業本部リビング営業部の高橋衛次長)のが強みだ。導入を決めた人のほとんどが、床暖房の機能をプラスするという。 オープンして丸2年になる本社内のショールームでは、エコウィルの実物を見ながら床暖房やミストサウナなども体感できる。多い日では20人ほどが来店する。 営業本部エネルギー営業部エネルギー営業課の河野寛課長は「省エネを意識している方が多く、エコウィルへの関心は高い。新築される方は勉強されており、こちらが驚くような質問をされる方もいます」と話している。 |
| 【会社概要】ガス製造、供給販売など。創立は1915年で、77年に社名を山口合同ガスに変更。2000年に天然ガス転換作業を始め、04年に完了。05年にショールームがオープン。資本金は4億8750万円。従業員は460人。下関市本町3の1の1。 |
酸化マグネシウムは鉄鋼業界向けの耐火物原料などに活用されている。海水から水酸化マグネシウムや酸化マグネシウムを製造する世界最大のプラントを持つ宇部マテリアルズ。酸化マグネシウムの特徴である難溶性や弱アルカリ性に着目、その用途拡大を目指して土壌硬化材市場参入のため2005年2月、プロジェクトが組織化された。 当時、酸化マグネシウムの土壌硬化材への適用を研究開発していたのは独立行政法人・農村工学研究所(旧農業工学研究所)。従来のセメントや石灰系に代わる素材として実用化を目指したが、材料としていた中国産の炭酸マグネシウム鉱石の品質に問題が発生。宇部マテリアルズの海水系に切り替えた結果、周辺の環境負荷を極限にまで抑えた海水マグネシア系土壌硬化材が誕生した。 同社マグネシア関連事業部マグナチュラルグループが手がける土壌硬化材は、「舗装名人」「防草名人」「改良名人」の商品名で公園の遊歩道や駐車場の舗装や防草、河川の法面の土砂流出防止、泥土の固化剤などに利用され、喜ばれている。 これらの製品は、食品添加物や苦土肥料でもある酸化マグネシウムを原料とすることで生態系への影響がない▽セメントと同様の自ら硬くなる性質がありながら、砂や砂利などが不要▽施工する現地の土を固めるため、不要になれば自然の土にもどせる▽施工面の温度上昇を抑えてヒートアイランド現象を抑制する−などの特長がある。 さらに、間伐材などを混ぜたウッドチップ舗装の場合、従来の合成樹脂使用と比較してコストが半減するほか、人間の足腰への負担を軽減する効果もあるという。ただ、弱アルカリ性のため鉄筋の防食機能がなく、ビルや道路など高い強度が要求される構造物に使用できないことや、セメント製品より割高な点が課題。 同社のもう一つの環境関連製品に「クリアウォーター」がある。水酸化マグネシウムと生石灰を基に、ヘドロ浄化などで海底や湖底の水質、底質改善に効果を発揮。この製品を開発したマグナチュラルグループの西野伸幸課長は「水酸化マグネシウムも酸化マグネシウムも同じ海からの贈り物。同時期に農村工学研究所がマグネシア系土壌硬化材を開発したことは、目からうろこのように受け止めた」と話す。その後、世界最大プラントを持つ強みを生かし、土壌硬化材の研究を進めた。 今後の用途展開の一つとして、養鶏場の鳥インフルエンザ対策への活用を模索中。鳥インフルエンザ発生の養鶏場には予防措置として消石灰が散布されるが、同社の土壌硬化材を使用することで防草や消毒はもちろん、病害虫の発生にも効果があるとみる。現在、宮崎県内で試験を続けている。 |
| 【会社概要】1997年4月、宇部興産グループの旧宇部化学工業と旧カルシードが合併して誕生、今年10年目を迎える。耐火原料のマグネシアクリンカーなどのマグネシア、生石灰などのカルシア、電子・光学材料などのファインマテリアルの3事業が好調で、2007年3月期は過去最高の増収増益を記録した。本社・宇部市の宇部興産ビル。資本金40億4700万円。代表取締役社長・安部研一。従業員580人。 |
石油や石炭などの化石燃料ではない“新しい燃料”による発電と電力の販売を行う。山本所長はこの1年半余りを「木はボイラーまで運ぶ過程で圧縮されると、思った以上に硬くなる。コンベヤーなどが傷んで修理のためプラントを停止しなくてはならないトラブルもあったが、ボイラー本体は順調だった」と振り返る。 木質バイオマス発電は、二酸化炭素(CО2)を大量に排出する化石燃料を使った発電に比べ、環境負荷が少ないとされる。樹木は光合成の過程でCО2を取り込み蓄積しているため、燃焼の際にCО2が発生しても大気中の実質量は変わらない−との考えからだ。さらに、廃棄物として焼却処分される建設廃材などを購入し燃料とすることで、地域資源のリサイクル・循環型社会の形成にも貢献している。 県土の約7割を森林が占める山口県。「森林資源が豊富で交通のアクセスも良い」。浜崎等総務グループマネジャーは立地の理由をこう説明する。木質チップは県東部を中心に広島、島根などから製材業者や解体業者、土木業者など約30社が大型トラックで持ち込んで来る。1日約300トン、年間約9万トンを950度前後に保たれた燃焼効率の高い循環流動層ボイラーで燃やし、その熱で発生した蒸気でタービンを回し発電する。最大出力は約1万キロワット。一般家庭なら約1万世帯分をまかなえる電力量に相当する。電気は中国電力と関西電力の送電線を利用して親会社「ファーストエスコ」(本社・東京都)に販売し、同社が関西地方の工場などに供給している。 「品質のよい電気を安定供給できれば利益が出せる。そのためにはトラブルの原因となる木質チップの品質安定化が不可欠」と五十嵐章彦顧問。操業当初はチップによるダメージでプラントを何回か停止したため、発電・販売量は見通しを下回った。しかし、昨年11月の点検で問題の大半が解決。今年に入ってからは長期安定運転が続いており「今後は黒字転換も可能」(同社)という。 “環境と経済の両立する社会づくり”を目指す岩国ウッドパワー。山本所長は「効率のいい発電所を確立することでCО2削減の一助になれば。ボイラーに30年携わってきた自分の経験を若い世代に継承したい」と将来をみつめる。挑戦は始まったばかりだ。 |
| 【会社概要】総合エネルギーサービス事業を展開する「ファーストエスコ」(本社・東京都、齋藤晴彦社長)の100%出資会社として2003年設立。資本金4億9500万円(06年12月末現在)。事業内容は木質チップを燃料とする発電所の運営と電力供給。総事業費約40億円をかけて建設し、06年1月に商業運転を開始。社員15人中13人は地元採用。ファーストエスコは福島県白河市と大分県日田市にも同様の発電所を構えている。 |
廃ガラス瓶を製造プラントに投入し、破砕、粉砕しながら、副材料である貝殻を加え熱加工するガラス発泡体を作って7年目。「廃棄物から利用できたら」と、発電所の取水口にたまる貝殻を活用してきた。 今、ガラス発泡体の用途で最も力を入れている分野が水質浄化。 石川県加賀市の温泉街に設けられた公園の池で、ガラス発泡体が採用され「水がきれいになった」と地元から大変喜ばれた。 たくさんの穴が空いているガラス発泡体は表面積が広く、微生物がすみ付きやすい点に着目。微生物の活動で水質浄化できるうえ、微生物をエサにする小魚や、小魚を食べる鳥なども自然に増え、食物連鎖につながることも分かった。 ガラス発泡体が水質浄化材として使える−。その可能性に気づかされたのは、熱帯魚好きの岡本孝之社長が遊び半分で水槽に入れたのがきっかけだった。「行動力に時の運が伴えば、いろいろな方法が考えられる」(岡本社長)と、ちょっとした好奇心や思いつきからビジネスに結びつくケースも多いという。 同社の技術移転などもあって、グループ工場が全国で20社ほどに広がった。その一つ、北海道の工場の発案で作られたのが、ガラス発泡体を使った「スリップ防止材」。雪国ならではの発想から生まれた。 ホームセンターなどでおなじみの、歩くたびに音が出て不審者の侵入を防ぐ「防犯ジャリ」は大ヒット商品に。防犯グッズへの関心の高まりもあって、年間百万袋を生産する。 「環境」を意識したビジネスが今ほど広まっていない10年前、「環境の風が吹く」とガラス瓶のリサイクルをビジネスチャンスととらえた岡本社長。「一般家庭から出るガラス瓶のうち、形を変えて使われるのはまだ5%前後。グループをさらに広げてリサイクルする余地は十分にある」と意欲的だ。 |
| 【会社概要】環境ビジネスを視野に94年創業。ガラス瓶の再資源化装置の製造設計・製造・研究・販売事業などを手がける。文部科学大臣創意工夫功労賞などを受賞。資本金5000万円。従業員30人。下関市秋根西町2−2−13 TSPビル。 |
小型バイオマスガス化発電装置はドイツのAHT社が開発したもので、輸送用コンテナにガス化設備とガスエンジン発電機を収納したコンパクトさが特長だ。 250キロワット発電装置では、ガス化効率は約80%、発電端効率は25−30%、熱回収した際のシステム全体のエネルギー効率は約60%になる。木質バイオマスを燃料にした場合に問題になる生成ガス中のタール含有量も、2段階の高温ガス化で軽減している。 一方、バイオマス燃料温水ボイラーは、バイオマス燃料ボイラーの先進国オーストリアのビンダー社製。多様な燃焼部構造によりオガクズ、間伐材、建設廃材など幅広いバイオマス燃料の使用が可能。燃料供給から燃焼灰の貯蔵まで一貫したシステムで、排ガスを再循環することによる窒素酸化物の低排出運転(200ppm以下)やオイルボイラーを上回る最大90%の熱効率を誇る。 2つの製品とも宇部テクノエンジが販売、据え付け、保守サービスまでを手掛ける。ガス化発電装置は製材業や建築業といった廃材処理に苦心する業界などをターゲットに、燃料ボイラーは公営の温泉施設や農家のビニールハウスなどでの使用を提案する。 同社取締役執行役員で環境システム部長と新規事業推進室長を兼務する殿河内誠さんは「環境問題に適した製品として今後どこでどれだけ需要が高まるか、その見通しを確実につかむ」ことが課題という。普及に向けた取り組みとして、燃料の一つに里山再生の障害ともなっている「竹」の活用も模索する。「現状は補助金をいただかないと難しく、市場規模もまだまだ小さいマーケットですが、事業として一本立ちできるよう努力しているところです」と殿河内さん。年2回、東京や福岡で開催される環境展に積極的に出展してPRに余念がない。 |
| 【会社概要】宇部興産の100%出資会社として創業。宇部興産機械が納入した機械類の据え付けや部品供給、点検・補修が主な業務。2003年に新規事業推進室を発足させ、環境ビジネスへの参入を本格化。宇部市内の分野や業界を超えた意見・情報交換会「キューブサロン」事務局も務める。本社は宇部市小串沖の山。国内外に14拠点。資本金1億3000万円。売上高100億6500万円(05年)。従業員270人(06年3月現在)。 |
県がこの車を導入したのは昨年10月。翌11月の国民文化祭やまぐちで県民らに披露され、エコドライブや環境問題に対する県の取り組みをアピールした。その後も環境関係の各種イベントで展示・試乗などに活用。ふだんは山口市の県セミナーパークに配置し、児童・生徒の環境学習にも一役買っている。 マツダ本社によると、水素を燃料に使った車は世界的に「水素燃料電池車」が主流だが、この車は「水素エンジン車」。燃料電池車は水素を使って発電しモーターで走るのに対して、水素エンジン車はガソリンの代わりに水素を噴射し、従来通りの工程でエンジンを回す。ほとんどの部品が従来品と共通し、コストを抑えられ、信頼性も高いなどのメリットがある。リース料は月42万円と、他社の燃料電池車の約半額の設定だ。 同社の柏木章宏プログラム開発推進本部主査は「水素エンジン車はREだからこそ可能だった」と明かす。水素の点火に必要な最小エネルギーは、ガソリンの約10分の1。このため一般車のレシプロエンジンだと、高温のエンジン内に水素を噴射すると、プラグが放電しなくても爆発する「異常燃焼」を起こしてしまう。REはエンジン内を回転する三角形のローターのシール(頂点)で吸気室と燃焼室が仕切られ、水素噴射時に直接高温にさらされることはない。 水素の爆発により生成されるのは水だけで、排気熱によりマフラーから水蒸気となって出てくる。環境配慮に優れた車といえるが、マツダはあえてガソリンも併用できる「デュアルフューエルシステム」を採用。走行中に水素がなくなったら、自動的にガソリンに切り替わり、手動切り替えも可能だ。 これは水素ステーションなどインフラ整備の実情に配慮したため。水素タンクをいっぱいに充填(じゅうてん)して走行できる距離は約100キロ。水素ステーションは中国地方にマツダ本社(広島県府中町)と岩谷瓦斯(周南市)の2カ所しかなく、柏木主査は「エンジンを搭載していないモーターカーではガソリン併用は難しい。今あるインフラ(ガソリンスタンドなど)を使いながら、未来の環境エンジンとしてアピールしていきたい」という。 県環境政策課も「各種イベントなどで活用し、環境への県民意識を高めたい」と期待を寄せる。 |
| 【会社概要】自動車メーカーのマツダ(本社・広島県府中町)は広島市と防府市に国内主力工場を持つ。昨年は過去最高の約49万5000台を生産。県内の工業出荷額に占める割合は12.2%(05年実績)。RE搭載車は広島市の宇品第一工場で製造。水素RE車も広島本社で開発された。昨年12月には周南市の岩谷瓦斯の水素ステーションが稼働を始めるなど、民間にも車環境に関する取り組みが広がりつつある。 |