山口新聞 ふるさと創生へ 県民とともに

窯展示室で。作品は「白萩流紋器」
(径43センチ、高さ211センチ)
 追究している表現は「白の釉薬(うわぐすり)、白萩をどう作品で見せていくか」。
 そのために、釉薬を二重にかける。
 ろくろ成形後、かんなでフリーハンドで紋様を付けるか(流紋)▽細いワイヤーで面取りして成形後、中の土をくりぬくか(面取り)▽成形後、くしで引っかいたり押し付けたりして紋様を付けるか(櫛目)−した造形に、見島土がベースの釉薬をかけ、その上にスプレーガンで白萩(わら灰釉)を粒状に施釉したり、ひしゃくで流しがけする。
 鉄分の多い見島土をベースにした釉薬の黒と、白萩の白とのコントラストが造形を際立たせ、強い存在感を獲得できるという。
 ヒントは三輪壽雪氏(十一代休雪、1910年生まれ)の鬼萩茶わんの白萩のちぢれ。「見島土のベースの上に白萩が乗って弾けたときに、黒が出てくる作用を故意に出したいと思った」
 19歳のとき、十二代休雪さん(1940年生まれ)の作品を写真で見た。「萩の素材で、ああいうオブジェを作っているのは衝撃だった」。大学の恩師に、卒業後どうするのかと聞かれ、「三輪先生のところで勉強がしたい」と言った。
 すぐにではなかったが運良く、21歳から24歳までちょうど3年間、アシスタントとして働くことができた。数トンの土を使う大型の作品を作る。ひたすら土をもんで積み上げていく。変更もある。「要求はマックスでくる。体力的精神的には、きつかった」
 物理的に不可能なことが出てくるが、あきらめない。信念がある。妥協しないこと、ものを作るときの情熱を学んだ。
 焼き物はある程度技術がないと表現できない世界だが、技術があったからといって人を感動させることはできない。情熱、大切なのは、どう表現していくかということ。陶芸家になるなら、そんな情熱じゃ、ということを学んだ。表現者の心のあり様を学んだのだろう。
 30代半ばまでは、週7日制で夜11、12時までが普通だった。40歳の声を聞いて胃かいようと十二指腸かいようをやった。体のことを考えていまは、規則正しくやるようにしている。
 「生命力ある作品、人の心に響く作品を作っていけるように努力を怠らない。信念があれば、ものは作っていける」
 気分転換にジャズとラテン系の音楽を聴く。工房に置いたドラムをたたき、仲間と演奏する。球場で家族とプロ野球の観戦も。
(文と写真・宇和島正美)
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