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山口県内でまざまな分野で活躍している読者ら14人が、2カ月間交代でコラムを執筆。7、8月の顔ぶれは子育て応援団、医師、言語聴覚士、FMパーソナリティー、体験民宿代表など多彩です。

2017年8月17日(木)掲載
「平和を願う修学旅行」
松本 紀是(周南市、回天記念館長)
 6月、大阪から住吉中学校の3年生が修学旅行で来館され、平和学習で戦争の時代を人々がいかに生きたか、戦地へと赴いた若者たちが何を考えていたのかを学んだ。中学3年と言えば予科練や少年兵に志願した人と同じ年齢。講話は昼食後の睡魔に襲われる時間だが、皆熱心に聞き入り館内展示物の遺筆の難しい字を目で追っていた。事前学習で平和とは人権とは何かを考え自分たちが成すべきことを考えたようだ。島を去る前、回天訓練基地を臨む浜辺でセレモニーが行われ海に向かって澄んだ声で平和への願いを誓う。125人全員が書いた一人一人の「平和への願い」のパネルを記念に頂く。
 後日、随行された村瀬香織校長先生から「全校生徒で平和登校日を行う」と電話を頂いた。8月4日に電話があった。「学習会を行いました。3年生が回天記念館を訪れた感想などを発表した後、空母飛龍生還兵の証言映像を見ました。今までにアフガンを取材した戦場ジャーナリストの講演、住吉区の遺族の空襲体験、福島原発事故のその後の講演などを聞きました」。彼らの望むものは戦争のない平和な世界、いじめや差別のない社会だった。校長先生の話からも学校として平和教育に情熱を持ち取り組まれていることを教えられた。
プロフィール:岩国市出身。高森高を卒業し西京銀行に入行。定年退職後2006年に回天記念館。12年から館長。72歳。
「昨日の私、明日の私」
前川 恭子(萩市、市むつみ診療所長)
 若い頃、本を読んで感動しました。この本はずっと私の味方だと、本棚に置いていました。
 何年かぶりにその本を手にしました。また私を感動させてくれると期待しながら開きました。でもおかしいのです。あの頃のようには心が動かないのです。
 あの時私に加勢してくれた本が、今日はただの傍観者です。本の中身は変わりません。変わったのは私です。私が変わり、感動する対象も変わったのです。
 たくさんの患者さんが、今も昔も自分は同じと思っています。今までも今からも、同じ自分だと思い込んでいます。そして、ある日突然「昔はこんなじゃなかった」「これくらいの仕事、平気でできていたのに」とショックを受けます。
 体は変わります。心も変わります。考え方も、ものの受け止め方も変わります。でも、少しずつ変わるので気がつきません。自分の中の小さな変化に目を向けないので、気づきません。いつまでもいつまでも自分は同じと思っています。
 でも、昨日のあなたと今日のあなたは違います。明日のあなたも違います。それを嫌がらないでください。その違いを時々眺めてあげてください。あなたの体と心はあなたにそう望んでいると、私は思います。
プロフィール:まえかわ・きょうこ。萩市出身。自治医科大卒。医師。2001年に旧むつみ村診療所長。合併後も同所長として地域医療に精励。萩市吉部上。49歳。
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