| 「る・リ・フリー」 |
| 山本 有希(山口市、NPO法人理事長) |
る・リ・フリーとは、みる・やる・えんじるの「る」、リズムの「リ」、自由の「フリー」。こどもステーション山口ではすっかり定着している活動です。
毎年2月に、旧山口市内の学校単位でグループを作り、小学生から高校生まで年齢の異なる子どもたち5〜15人が、みんなで話し合って創作したものを舞台で発表します。子どもたちが脚本を書き、立ち稽古をして、大道具、小道具、衣装まで作ります。
発表は主に劇ですが、その中にダンスやコント、パフォーマンスが盛り込まれます。隣のおばちゃんや政治家の会話、コマーシャルや社会風刺はあり、それはそれは大人顔負けの世相を反映した内容。どのグループも12月から2月の当日まで8〜10回くらい集まり、子どもたちの「自主性」で進行します。自主性と言えば聞こえがいいのですが、毎回、話し合いや練習が始まるまでの子どもたちの遊びがとても長く、そばにいる大人たちは忍耐強く見守ります。当日の持ち時間は15分間。人気投票の一番(大賞)にはトロフィーが贈られます。とはいえ、大人が一番大事にしているのは、発表までの練習や創り上げていく経過です。
今年は2月12日(日)午後1時から山口県教育会館ホールにて行います。出演は7グループ。喜々とした子どもたちをぜひ見に来てください。 |
| プロフィール:やまもと・ゆうき。山梨県出身。子育て支援や文化芸術振興を行う「こどもステーション山口」理事長。C・S赤れんが館長も務める。山口市。52歳。 |
|
| 「大きな宿題」 |
| 清水 満幸(萩市、萩博物館統括学芸員) |
昨日は節分。かつて萩地域では、この日が年の変わり目と意識された。そのため、災いを防除し、以降の一年を元気に暮らそうとする民族が伝えられている。
多く見られるのは、とげのあるダラノキ(タラノキ)に、シキビ(樒)やサカキの葉を挟み、屋敷地や家屋の出入り口に立てるというもの。そのほかにも履き古したわら草履の上に、抜けた毛髪やイワシの骨を添えて置いたり、皿の上の炭火に、イワシや毛髪を置いて臭気を発生させたりして、災いを遠ざける。
どうも災いをもたらす何者かはとげ、汚いもの、臭気など、日常の生活において避けるものを苦手にすると考えられたようである。
節分行事については、毎年、地域のどこかで記録を取るようにしている。一昨年、ある集落で納屋の2階への上り口に、この災いよけが置いてあるのを目にした。嫁いできてス数年、姑さんに教わった行事をずっと続けているというその家のお母さんにお話を伺った。
かつて納屋の2階で寝起きをしていて、現在は都会に出て暮らす子どもたちに、災いが及ばないように願って―というのが、その理由であった。親とはありがたいものだと思った。
連綿と受け継がれてきたこのような民族を、今後だれが、どのように継承するのだろうか。大きな宿題をいただいたように感じた。 |
| プロフィール:しみず・みつゆき。下関市(旧豊北町)出身。熊本大学大学院文学研究科修了。民俗学を専攻し、萩博物館では生活文化を担当。萩市江向。52歳。 |